このメモリー戦略への注力は、世界的な半導体不足、特にHBM(広帯域メモリー)のようなAIに不可欠なメモリーの深刻な供給逼迫を背景としている。この世界的なメモリー不足により、オンパッケージメモリーや積層メモリーといった代替アーキテクチャの戦略的魅力が飛躍的に高まっている。
インテルの財務的な勢いは、この大きな賭けを支える原動力となっている。
インテルは1980年代半ば、日本メーカーによるDRAM市場のコモディティ化を受けて同市場から撤退し、マイクロプロセッサに軸足を移したことで有名だ。タン氏の発言は、現職のインテルCEOがメモリー技術への再関与についてこれほど明確に言及した初めてのケースとなる。
ただし、インテルがゼロからコモディティ向けのDRAMやNANDの工場を建設する可能性は低い。より現実的な道筋は、先端パッケージングを活用した独自の積層メモリーアーキテクチャを追求することだ。つまり、CPUやAIアクセラレーターと緊密に統合される独自のメモリーソリューションを設計し、自社のファウンドリで生産するか、SKハイニックスなどのメモリーメーカー(李氏の深い人脈が極めて貴重となる)と提携して生産することになる。
巨額の増資、李氏のパッケージング専門知識、タン氏の「ペットプロジェクト」へのフォーカス、そして好調な収益基盤。これらの組み合わせは、インテルがメモリーとロジックの統合方法を再発明するための基盤を整えつつあることを示している。これは、同社が数十年前にメモリー事業から撤退して以来、最も重要な戦略的転換点となる可能性がある。