また、DeepSeekは個人データをサービスの運営、提供、開発、改善のために使う可能性があり、ポリシーに示された目的に必要な期間保持するとしています。 つまり、後で残っていると困る情報、外部で処理されると困る情報、漏えい時に説明責任が発生する情報は、最初から入力しないのが安全です。
DeepSeekのプライバシーポリシーは、個人データが中国で直接収集、処理、保存される可能性があるとしています。 またNPRは、同社の条件に基づき、DeepSeekが米国ユーザーから収集したデータは中国のサーバーに送られると報じています。NPRはあわせて、各国の規制当局がDeepSeekのデータ利用について疑問を呈しているとも伝えています。
この事実だけで、データが必ず不正利用されると断定することはできません。ただし、データがどの国・地域で処理、保存されるかは、リスク評価では重要です。特に企業の法務、金融、医療、公共機関、研究開発部門など、扱う情報に厳しい管理が求められる場合は、保存場所やアクセス権限、委託先管理、監査可能性まで確認する必要があります。
プライバシーポリシーだけでなく、技術的な指摘も見逃せません。Krebs on Securityは、NowSecureによるDeepSeekのiOSアプリ分析を引用し、同アプリがApp Transport Securityを無効にしていたこと、一部の端末データを暗号化せず送信していたこと、古い暗号方式である3DESを使い、さらに鍵がアプリ内にハードコードされていたことを報じています。
同じくKrebs on Securityは、Wizの調査として、DeepSeekが過去に公開アクセス可能なデータベースを露出させていたとも伝えています。そのデータベースには100万行を超えるログが含まれ、チャット履歴、APIシークレット、バックエンド情報が含まれていたとされます。報告によれば、DeepSeekは通知を受けた後にこの問題を修正しました。
これらの指摘は、「DeepSeekを使うすべての場面が常に危険」という意味ではありません。しかし、機密性の高い情報を扱う環境として信頼できるかを判断するうえでは、十分に重い材料です。少なくとも、現時点の情報だけでDeepSeekを高セキュリティ環境とみなすのは慎重であるべきです。
DeepSeekを直接使わず、別のアプリやサービスに組み込まれた形で使う場合もあります。この場合、「DeepSeekだから同じリスク」「別アプリだから安全」とは単純に言えません。
DeepSeekは、自社のオープンプラットフォームを使って開発された下流システムやアプリにおけるエンドユーザーの個人情報処理は、DeepSeekのプライバシーポリシーの対象外だと説明しています。 つまり、外部アプリ経由で使う場合は、そのアプリの運営者が何を収集し、どこに保存し、誰と共有し、どのくらい保持し、どのように保護するのかを別途確認する必要があります。
DeepSeekを試す場合は、次のルールでリスクを下げるのが現実的です。
DeepSeekは、公開情報を使ったアイデア出しや、個人情報を含まない低リスクの試用には使える可能性があります。しかし、公式ポリシーが示すデータ収集範囲、データが中国で処理・保存され得る点、そして独立調査で報じられたセキュリティ上の懸念を踏まえると、機密情報を扱う道具としては慎重に見るべきです。
最も安全な使い方は明快です。DeepSeekに限らず、AIチャットボットには「漏れたら困る情報」を入れないこと。パスワード、顧客データ、社内資料、営業秘密、法務・医療・金融情報、非公開コードは、チャット欄の外に置いておきましょう。
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