コースはバルセロナ中心部を周回する19.5〜19.7kmで、モンジュイックの丘を2回短く上り、1992年バルセロナ五輪のメイン会場でもあるオリンピック・スタジアムがフィニッシュ地点となった。注目すべきは、今大会から導入された新ルール。従来はチームの4〜5人目がフィニッシュしたタイムが全員に適用されていたが、2026年からは各選手が自身で計測した個人タイムが総合成績に反映される方式に変更された。これにより、チーム内での貢献度や個人のタイムトライアル能力がより色濃く出る形となった。
| チーム | タイム | 差 |
|---|---|---|
| ヴィスマ・リース・ア・バイク | 21分47秒 | — |
| ネットカンパニー・イネオス | 21分55秒 | +8秒 |
| UAE チーム エミレーツ XRG | 21分59秒 | +12秒 |
出典:ツール・ド・フランス公式結果
ヴィスマではエドアルド・アッフィーニがチーム先頭でゴールしステージ優勝者となったが、総合リーダーとしてマイヨ・ジョーヌに輝いたのはヴィンゲゴーである。ネットカンパニー・イネオスのフィリッポ・ガンナが8秒差の2位、ポガチャル率いるUAEは3位に終わった。
デンマーク人選手のヴィンゲゴーは2022年、2023年に総合優勝を果たし、2024年、2025年はポガチャルの後塵を拝して2年連続の総合2位。今回の勝利について、本人は「再びマイヨ・ジョーヌを身にまとうのは信じられない気持ちだ」と語っている。ヴィンゲゴーがマイヨ・ジョーヌを着用するのは、2023年の総合優勝以来、実に3年ぶりとなる。
心理的優位性 — ここ2年、ポガチャルを追う立場だったヴィンゲゴーにとって、最終日のパリに至る前に「先制パンチ」を浴びせた意味は大きい。英国紙テレグラフは「ヴィンゲゴーが先制攻撃で流血を奪った」と評している。
ポガチャルが追う歴史 — 一方のポガチャルは、2020年、2021年、2024年、2025年とすでに4度の総合優勝を誇るスロベニアの絶対王者。史上最多の5勝目を挙げれば、ジャック・アンケティル、エディ・メルクス、ベルナール・イノー、ミゲル・インデュラインという伝説的な4人の記録に並ぶことになる。12秒差は決して致命的ではない。ポガチャルはこれまでも高山ステージで同程度のビハインドを何度もひっくり返してきた実績がある。
第113回大会は7月4日から26日まで、バルセロナからパリに至る全21ステージ。総距離は約3,320.7km〜3,333km、総標高差は約54,000mと発表されている。
ステージ内訳: 平坦7、丘陵4、山岳8(うち山頂フィニッシュ5)、チームタイムトライアル1、個人タイムトライアル1。
今後の主要山岳ステージ: 初使用となるプラトー・ド・ソレゾンや、最終週末に2度のアルプ・デュエズへの山頂フィニッシュが設定され、伝統のシャンゼリゼ通りでの最終日(7月26日)へと続く。
第2ステージは168.5km、標高差2,500mの丘陵ステージ。
プロフィール: タラゴナの海岸線を出発し、シッチェスなどのビーチリゾート沿いの平坦区間を走る。後半に入るとレース初のカテゴリー山岳、コート・ド・ベーグ(2級、6.1km、平均6.5%) が登場。フィニッシュは前日に続きモンジュイックの3周回コースで、最大勾配13%の急坂をクリアしたのち、再びオリンピック・スタジアムにゴールする。
見どころ: この日はパンチャー(軽い登りで瞬発力を発揮する選手)向きのステージ。短い激坂でのフィニッシュ力ではポガチャルがヴィンゲゴーを上回るとされており、王者がすぐさま反撃に転じる可能性が高い。
バルセロナでの2連戦(第1、第2ステージともにモンジュイック・フィニッシュ)を終えて、レースはフランス国内へと移る。
総合争いはまだ始まったばかり。12秒差は3週間の長丁場からすれば微々たるものだ。ヴィンゲゴーは先手を打ち、マイヨ・ジョーヌによる心理的アドバンテージを得たが、ポガチャルは過去に何度も山岳で逆転してきた男。5つの山頂フィニッシュやアルプスでの決定戦を控え、真の勝負はこれからである。