PassMarkに「AMD Ryzen 9 PRO 9965X3D 16-Core」が掲載され、未発表CPUの存在が改めて注目されています。とはいえ、AMDはこのCPUを正式には発表していません。現時点では、PassMarkのデータベースと出荷リスト報道に基づく未確認情報として見るのが安全です [1][
9][
10]。
それでも今回の話題が面白いのは、単に「Ryzen 9 9950X3Dより速いか遅いか」ではありません。もし本当に製品化されるなら、Ryzen PROのデスクトップ向けラインにX3D/3D V-Cacheが入る可能性を示すからです [2][
4][
12]。
何が見つかったのか
現在の手がかりは大きく2つあります。ひとつはPassMarkのCPU lookupページに「AMD Ryzen 9 PRO 9965X3D 16-Core」が載ったこと、もうひとつは以前の出荷リスト報道で同名のCPUが16コア/32スレッド、170Wの部品として扱われていたことです [1][
4][
9]。
Notebookcheckは、この未発表モデルが事実なら、Ryzen PRO 9000シリーズの上限が従来の12コアから16コアへ広がることになると指摘しています [10]。
| 項目 | 現時点で見えている内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| モデル名 | PassMarkとCPU lookupに「AMD Ryzen 9 PRO 9965X3D 16-Core」として掲載 [ | AMDの正式発表はまだありません [ |
| コア/スレッド | 出荷リスト報道では16コア/32スレッド、PassMark上の名称も16-Core [ | 最終仕様は公式発表待ちです |
| TDP | 複数の報道が170Wに言及 [ | AMD公表値ではありません |
| 位置付け | Ryzen PRO 9000系、X3D/3D V-Cache系の製品として報じられています [ | 実際の販売形態や対象市場は未確定です |
| キャッシュ | X3Dモデルとみられる一方、128MB L3という報道と144MBキャッシュという報道があります [ | Notebookcheckもキャッシュ仕様は不明としています [ |
特にキャッシュ容量は、いま断定しない方がよい部分です。Tech4Gamersの記事には128MB L3キャッシュという説明がある一方、別の記事では144MBキャッシュとされています [3][
13]。現時点で確実に言えるのは、「Ryzen PRO系のX3Dモデルらしい」というところまでです。
PassMarkではCPU Mark 65,111、9950X3D比で約7%低い
PassMarkのCPU lookupページでは、Ryzen 9 PRO 9965X3D 16-CoreのCPU Markが65,111と表示されています [9]。Ryzen 9 9950X3Dとの比較ページでは、この未発表CPUはマルチスレッドのCPU Markで約7%低く、シングルスレッド評価は同程度とされています [
1]。
Tech4Gamersも近い傾向を報じており、消費者向けのRyzen 9 9950X3Dと比べて、Ryzen 9 PRO 9965X3Dはシングルコアで約3%、マルチコアで約7%低いとしています [3]。同記事は、動作クロックが9950X3Dより控えめな約5.40GHzになる可能性にも触れており、これが事実ならスコア差の一因になり得ます [
3]。
ただし、PassMarkの数字だけで実力を決めつけるのは早計です。PassMarkの比較ページ自体も、数値はPerformanceTestソフトから送信された結果を集計したもので、日々更新されると説明しています [1]。つまりCPU Mark 65,111は、現時点のデータベース上の値であり、ゲーム、レンダリング、コンパイル、AI関連処理などでの最終的な評価ではありません。
ゲーマー向けの「9950X3D代替」と見るのはまだ早い
名前にX3Dが入ると、ゲーム向けCPUを連想しがちです。ただ、今回のRyzen 9 PRO 9965X3Dは、一般の自作PCユーザー向けにRyzen 9 9950X3Dを置き換える製品というより、商用・プロ向けデスクトップ市場を意識したPRO系の派生モデルと見る方が自然です。
Tech4Gamersは、このCPUをワークステーションやAIタスク向けのハイエンド16コアZen 5プロセッサとして説明しています [3]。PC Guideも、リークされたRyzen X3Dプロセッサは実際にはゲーマーを主な対象にしたものではないと述べています [
5]。
そのため、仮にPassMark上で9950X3Dに近いスコアが出ていても、発売形態、価格、流通経路が一般的なゲーミングCPUと同じになるとは限りません。AMDの正式発表がない以上、購入判断の材料にするにはまだ早い段階です [5][
10]。
今回の本当の見どころ
このリークの意味は、「9950X3Dより約7%遅い」という一点だけではありません。Tom’s Hardwareは、Ryzen 9 PRO 9965X3DをAMD初の3D V-Cache搭載Ryzen PROチップとして位置付けています [2]。KitGuruも、AMDがプロフェッショナル向けデスクトップ製品に3D V-Cacheを持ち込もうとしている可能性として報じています [
4]。
Club386は、出荷リストに載ったからといって製品化が保証されるわけではないとしつつ、AMDが12コアを超え、大容量キャッシュを備えるRyzen PRO CPUを少なくとも検討していることを示すものだと見ています [12]。
まだ分からないこと
- 正式発表の有無、発売時期、価格:現時点ではAMDからの発表はなく、主な根拠は出荷リストとベンチマークデータベースです [
4][
10]。
- 正確なキャッシュ仕様:128MB L3と144MBキャッシュという報道があり、仕様はまだ一致していません [
3][
10][
13]。
- 実アプリでの性能:PassMarkではCPU Mark 65,111、9950X3D比でマルチスレッド約7%低いとされていますが、これは包括的なレビューではありません [
1][
9]。
- 販売先とターゲット:PC Guideは、このX3Dプロセッサがゲーマーを主対象にしたものではないと指摘しています [
5]。
まとめ
現時点で最も堅い見方は、Ryzen 9 PRO 9965X3Dが「未発表の16コアRyzen PRO X3DらしきCPU」としてPassMarkに現れ、CPU Mark 65,111を記録している、というものです [1][
9]。Ryzen 9 9950X3Dと比べると、マルチスレッドは約7%低く、シングルスレッドは近い水準とされています [
1]。
ただし、より重要なのはスコア差ではなく、Ryzen PROデスクトップに3D V-Cacheが入る可能性です。正式な仕様、価格、発売形態については、AMDの発表を待つ必要があります [2][
4][
10]。




