第一はエネルギー依存です。亜州日報は韓国エネルギー経済研究院のデータとして、2024年にホルムズ海峡を経由して輸入した原油への依存度は韓国62%、日本69%、中国49%だったと伝えています。 この口径では、韓国は同海峡の安定に強い利害を持つ国だと位置づけられます。
ただし、数字の扱いには注意が必要です。聯合ニュースによると、トランプ氏は日本、中国、韓国のホルムズ経由の原油輸入比率をそれぞれ95%、90%、35%だと主張しました。 一方、亜州日報は、トランプ氏が公開発言で示した数字は韓国エネルギー経済研究院のデータとずれがあると指摘しています。
したがって、トランプ氏の数字をそのまま確定的な統計として扱うことはできません。
第二は同盟関係です。聯合ニュースは、トランプ氏が米国は長く同盟国・パートナー国の安全を支えてきたと強調し、米軍が駐留する韓国や日本などに参加を迫ったと報じました。 亜州日報も、トランプ氏が参加判断の基準として、ホルムズのエネルギー輸送への依存度と、米国の安全保障から受ける恩恵の大きさを挙げたと伝えています。
朝鮮日報の中国語版によれば、米国務長官兼ホワイトハウス国家安全保障担当補佐官のマルコ・ルビオ氏は、韓国の趙顕外相との電話会談で、ホルムズ海峡の安全を長期的に確保し、世界経済と国際原油価格を安定させるには各国の協力がこれまで以上に重要だと強調しました。
同紙は、ルビオ氏が「艦艇派遣」とは直接言わなかったものの、トランプ氏が提唱する多国間のホルムズ護衛構想への参加を韓国などに求める発言と受け止められる、と報じています。 またトランプ氏は、どの国が助けたかは覚えておくと述べ、参加の有無が今後の対米関係に響き得ることを示唆したとされています。
東亜日報によると、韓国政府関係者は、トランプ氏が意向を示した以上、韓国は慎重に議論すると説明しました。別の政府関係者は、米国が派兵や武器支援など実質的な要求を出す可能性は以前から想定していたとし、できるだけ直接派兵は避けたいが議論は必要だと述べています。
同じ報道では、韓国政府内に、ホルムズ経由の原油輸入依存度が高いため経済・安全保障上の観点から米国の要求を簡単には拒みにくいとの見方がある一方、他国との共同行動を前提に、直接の派兵ではなく護衛目的の形で応じる案も出ているとされています。
つまり韓国にとって選択肢は、参加か拒否かの二択ではありません。艦艇を出すのか、共同行動に限定するのか、護衛にとどめるのか、中東の軍事衝突に巻き込まれるリスクをどこまで抑えるのかという、濃淡のある判断になります。
要するに、トランプ氏が韓国を名指しした理由は三つです。韓国貨物船がイランの発砲対象に含まれたと主張したこと、韓国がホルムズ経由の原油輸入に大きく依存していると報じられていること、そして韓国を米国の安全保障から恩恵を受ける同盟国と見なし、航路防衛の費用とリスクを分担させたいことです。
本質は、一隻の貨物船をめぐる反応にとどまりません。米国はホルムズ海峡の安全を、エネルギーを得る国々が共に支払うべき安全保障コストとして位置づけており、韓国はエネルギー安全保障、米韓同盟、中東紛争への関与リスクの間で、受け入れ可能な関与の形を探らざるを得なくなっています。
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