台湾海峡へ向けて発射することで、台湾は中国の侵攻部隊が通過しなければならない海域そのものを攻撃対象とする訓練を行った。HIMARSは上陸用舟艇、水陸両用車両、後方支援拠点などを上陸前に攻撃する能力を持つ。 台湾海峡の最も狭い部分は約177キロメートルで、HIMARSが運用するGMLRSロケット弾の射程は約70〜80キロメートルであり、海峡内の脅威に対して有効な兵器である。
台湾側は、新たに配備したHIMARS中隊が実戦運用可能であり、長距離目標を攻撃できることを証明することで、中国の水陸両用作戦のコストを大幅に引き上げようとした。 サウスチャイナ・モーニング・ポストは「この訓練は、台湾の防衛戦略が中国本土の攻撃を上陸前に妨害するための機動打撃兵器の使用へとシフトしていることを浮き彫りにしている」と指摘している。
中国本土方向への発射は、他の方向への発射とは質的に異なるシグナルとなる。台湾はこれまで、中国側に軍事的報復の口実を与えないよう、西向きの実弾訓練を控えてきた。2026年6月の訓練はその自制を破り、同システムの台湾海峡有事における重要性を明確に示すものだった。
西向き発射の決断は、北京による台湾周辺での軍事活動の活発化や、ワシントンでの追加武器供与をめぐる議論の最中に行われた。これは台湾が新たに取得した兵器を自国防衛に活用できることを示す、明確な意思表示となった。
サウスチャイナ・モーニング・ポストが引用した上級アナリストは、この発射を「シグナリング・ゲームにおける重要なエスカレーション」と評し、HIMARSが理論上の抑止力から実証されたものへと変わり、人民解放軍は侵攻計画において同システムをアクティブかつ配置済みの脅威として扱わざるを得なくなったと述べている。
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