特に資金が集中しているのがフィンテック分野です。あるレポートでは、1年間で32件の投資ラウンドを通じて約5億3,200万ドルがフィンテック企業に流入したとされています。
完全なランキングは存在しないものの、以下の企業は複数のデータセットで香港の代表的な大型資金調達企業として繰り返し言及されています。
AI企業のSenseTime(商湯科技)は香港関連スタートアップの中でも最も著名な存在のひとつで、エコシステムレポートでは約77億ドル規模の評価額が言及されています。
国際決済・フィンテック企業Airwallexは、香港スタートアップ界を代表するユニコーンのひとつで、約62億ドルの企業価値が報告されています。
オンデマンド物流サービス**Lalamove(旧EasyVan)**は、都市内配送プラットフォームとして急成長し、約25億ドルの資金調達を行ったとされています。
暗号資産金融サービス企業Babel Financeは、スタートアップデータベースによると約41億ドル規模の資金調達が報告されています。
保険テック企業bolttechは複数ラウンドを通じて約6億300万ドルを調達しています。
デジタルバンキング企業WeLabは、香港を代表するフィンテック企業のひとつで、約9億ドル近い資金を集めています。
Web3ゲーム企業Animoca Brandsはブロックチェーンゲーム分野で急成長し、約7億6,880万ドルの資金を調達しています。
中小企業向けの資金調達プラットフォームFundParkは、約2億5,000万ドルを調達しています。
フィンテック企業PremiaLabは、大型投資ラウンドで**約17億香港ドル(約2億2,000万ドル)**を調達しました。
同じくフィンテック領域のRed Dot Technologyは、**約8億3,780万香港ドル(約1億700万ドル)**の資金を調達しています。
2024年創業のWeb3スタートアップEndlessは、比較的新しい企業ながら約1億1,100万ドルの資金を確保しています。
越境物流サービスのBuyandshipは、グローバル配送ネットワーク拡大のため1,200万ドルのシリーズCを実施しました。
香港スタートアップの資金調達ランキングがはっきりしない理由はいくつかあります。
1. 企業価値と調達額が混同されがち
記事やデータの多くが「評価額(valuation)」を掲載しており、実際の資金調達総額とは別の指標です。
2. “香港スタートアップ”の定義がばらばら
本社が香港の企業もあれば、創業だけ香港で現在はグローバル展開している企業も含まれます。
3. 非公開ラウンドが多い
後期ステージの資金調達は、金額が公開されないケースも少なくありません。
4. データベースごとに指標が違う
「最近の資金調達」「注目スタートアップ」「トレンド企業」など、ランキング基準が異なります。
そのため、完全なトップ20ランキングを作るにはPitchBookやCrunchbase、Tracxnのような専門データベースが必要になるのが現状です。
公開データを総合すると、香港のスタートアップ資金調達にはいくつかの明確な傾向があります。
まず、フィンテックが圧倒的に強い分野です。Airwallex、WeLab、PremiaLab、bolttechなど、多くの大型資金調達企業が金融関連サービスです。
次に、物流・越境ECも重要な領域です。LalamoveやBuyandshipは、香港の国際物流拠点としての強みを背景に成長しています。
さらに、AIやWeb3などのディープテックも存在感を増しています。SenseTimeやAnimoca Brandsはその代表例です。
公開情報から確認できる限り、SenseTime、Airwallex、Lalamove、Babel Finance、WeLab、bolttech、Animoca Brandsなどが香港で特に資金を集めているスタートアップ群として広く認識されています。
ただし、現時点では総資金調達額ベースで整理された完全なトップ20ランキングは公開資料にはほぼ存在しません。
それでも、資金の流れを見ると、香港のスタートアップ投資は主に
といった分野に集中しており、香港がアジアと世界をつなぐ金融・テクノロジーのハブとして機能していることが読み取れます。