サムスンMX部門は、中国市場向けミッドレンジ・低価格帯のGalaxy Aシリーズにおいて、中国メーカー——最も有力視されるのは長鑫存儲技術(CXMT)——が製造する低コストのLPDDR5Xメモリーの調達を計画している。これにより、高騰する部品コストの中で部材費(BOM)を大幅に削減する狙いだ。サムスンは公式に「確認できない」とコメントしている。
この決断を迫る背景には、3つの相互に関連する圧力がある。
最も劇的な緊張関係は社内にある。世界最大のDRAMメーカーであるサムスン自身の半導体(DS)部門が、兄弟部門であるMXよりも自部門の利益を優先しているのだ。
サムスンは、この内部対立の報道について「根拠がない」と否定している。しかし、業界筋やその後の動向は、軋轢が現実のものであることを示唆している。
内部問題が解決したとしても、この戦略には深刻な疑問符が付く。
サムスンのこの動きは、CXMTの爆発的な成長を背景としている。
まとめ:サムスンMX部門は、コスト危機に追い込まれた「ハイルメアリー」として中国DRAMを検討している。自社DS部門の利益重視の価格設定に締め付けられ、中国市場ではわずか0.6%のシェアに甘んじ、巨額の四半期損失に直面している。しかし、この計画が確実な勝利をもたらすとは言い難い。CXMTの価格優位性は失われつつあり、品質とセキュリティの問題は未解決で、DRAM配分を巡る内部対立はかつてないほど激化している。この賭けが成功するか否かは、サムスン、スマートフォン市場、そして世界のメモリーチップ産業のパワーバランスに大きな影響を与えるだろう。