2. 個人投資家の活動が退潮
個人投資家サイズのステーブルコイン送金は2026年Q1に前四半期比で16%減少。これは過去最大の落ち込みで、直近の弱気相場入り前の2022年Q1と同水準だ。イーサリアム上のUSDTのアクティブアドレスは1日あたり約21万件と、2026年Q1のピークから約53%減少。USDCも約18.5万件と51%減となった
。取引件数も同様で、USDTの日次取引数は12万件から6.5万件に、USDCも48%減の2.2万件に落ち込んでいる
。
3. ビットコインは狭いレンジに膠着
ビットコインは2026年7月下旬時点で約6万3800〜6万4000ドルで推移し、アナリストが指摘する5万8000〜6万6000ドルのレンジ内にとどまっている。2025年10月の最高値12万6080ドルから約50%低い水準だ
。ステーブルコイン流入の弱含みは買い需要の低下を示し、このレンジを突破する力になっていない
。
4. 供給縮小は「現金化」の証拠
6月の77億ドル減少や5月ピークからの約100億ドル減少は、USDTやUSDCの償還(現金化)を反映している。つまり保有者はステーブルコインを法定通貨に戻し、暗号資産エコシステムから完全に離脱しているのであって、他の銘柄に資金を移しているわけではない。この点が2022年のテラパニックとは構造的に異なり、CoinDeskやCEX.IOのアナリストは「突然の暴落ではなく、ゆっくりとした流動性の出血」と表現している
。
データの示す全体像は「弱い確信」と「投機的な触媒の不在」であり、差し迫った暴落を示唆するものではない。
「ドライパウダー」の枯渇: 取引所にあるステーブルコインは投資家が暗号資産を購入するための即戦力資金だ。ビットコイン最高値時から60%減少したということは、相場を押し上げるための準備資金が大幅に減っていることを意味する。アナリストらは、流動性の低下は「弱気の確信を示すものであり、差し迫った下落イベントを示すものではない」と指摘している
。
個人の撤退は構造的: 過去最大の16%減となった個人投資家の送金減少は、小口参加者の関心離れを示す。歴史的にこのパターンは、長期にわたる低ボラティリティの Consolidation(もみ合い)局面の前兆となる。Santimentのデータも、USDTとUSDCのイーサリアム上の活動が2026年の最低水準に落ち込み、メインネットのブロックが「予想以上に空いている」ことを確認している
。
ETF流入だけでは不十分: ビットコイン現物ETFへの資金流入は最近回復し、30日ローリングベースで3万BTC超のプラスに転じている。しかし、これはより広範なステーブルコイン流動性の収縮と衝突しており、回復基調は脆弱だ
。ETFの資金流入は、取引所に入る有機的なステーブルコインの「ドライパウダー」によって支えられていないのだ。
今回のサイクルで最も重要な構造的特徴は、2種類のステーブルコイン利用の歴史上類を見ない乖離である。
データはアナリストのコンセンサスを支持している。流動性の減少とステーブルコイン取引所流入の減少は、弱い買い意欲と投機需要の触媒不足を示すが、差し迫った暴落を示すものではない。市場は「売り切れはないが(パニックなし)、買い資金も入ってこない」という低確信度のもみ合い局面にある。