一方、米国の立場はより慎重だった。ルビオ長官は会談前、自身は「その機会が訪れれば」紛争終結に向けて「建設的な役割」を果たす用意があると述べつつも、外交努力は「ここ数カ月でやや頓挫している」と認めていた。また、ロシア側は、米国が過去に提示した和平の枠組みである「アンカレッジ・プラン
」について言及し、この計画はもはや「死んでいる」と主張したとされる。
会談後、ルビオ長官もラブロフ外相も記者団の前に姿を見せず、声明も発表しなかった。ロシア外務省は会談の雰囲気を「率直なものだった」と表現したが、両者ともに新たな突破口や楽観視できる材料はないとの認識で一致した
。複数の報道機関は、今回の会談は双方の主張を再確認するに留まり、事態は膠着したままだと報じている
。
ほぼ同時期、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は米国特使らと別途会談を行い、「外交の活性化」を目指したとされる。しかし、現時点で入手可能な情報源には、この会談の具体的な内容や成果についての詳細な報告は含まれていない。この点は、証拠が不足している部分として残されている。
今回の35分間の会談は、2026年7月21日から24日までマニラで開催された第59回ASEAN外相会合というより大きな枠組みの中で行われた。議長国であるフィリピンは、南シナ海問題を最優先課題に掲げていたが、会合では複数の危機が同時に議論され、国際秩序の不安定さが浮き彫りとなった。
マニラでのルビオ-ラブロフ会談は、ウクライナ戦争を巡る米ロ両国の立場が依然として深く隔絶していることを浮き彫りにした。約1年ぶりのハイレベルでの直接対話にもかかわらず、ワシントンもモスクワも、中核的な要求を変更する意思は微塵も示さなかった。米国は、ロシア側からの具体的な動きがない限り、「建設的役割」を果たすための扉は開かれているとする立場を維持。一方ロシアは、西側によるウクライナへの軍事支援継続は容認できず、和平の条件はモスクワの領土的獲得と安全保障上の利益を反映したものでなければならないとの立場を改めて強調した。今回のASEANフォーラムは、ウクライナ問題が、地域が直面する多くの地政学的危機のうちの一つに過ぎないことを示す場ともなった。