合弁会社の出資比率は**フォード66%、吉利34%**です。フォードは工場と既存の生産能力、ブランドエンジニアリングを提供し、吉利は自社の車両アーキテクチャとプラットフォームを提供します。
対象となるのは、バレンシア市中心部から南へ約20kmに位置するフォード・バレンシア組立工場(アルムサフェス)です。工場と約4,200人の従業員は新設の合弁会社に移管されます。生産量の拡大に伴い、さらなる雇用増も見込まれていますが、具体的な採用数は未定です。
合弁会社では、フォードが継続生産する「Kuga」と「Bronco」に加え、新型車3車種を2028年後半から生産開始します。
既存のKugaとBroncoを含めると、合計で4〜5車種となる見通しです。
合弁会社は、年間約50万台のフル生産能力達成を目指します。これは過去最高の約44万9千台を上回る水準です。一方、直近の年間生産台数は10万台未満と、設備稼働率は大きく低迷していました。
吉利:EU関税回避 — EUは中国製バッテリー電気自動車(BEV)に対し、標準関税10%に加えて18.8%の相殺関税を課しています。EU域内で生産することで、吉利はこれらの関税を完全に回避できます。これは中国メーカーが欧州に生産拠点を設け、貿易障壁を回避する動きの一環です。
フォード:遊休工場の再生 — アルムサフェス工場は、フォードが欧州のEV戦略を見直す中で大幅な稼働率低下に直面していました。合弁事業は遊休化した組立ラインを活用し、工場の長期的な存続を確保するものです。フォードのジム・ファーリーCEOは「中国メーカーのスピードと製品力を高く評価している」と述べ、この提携を欧州での競争力強化につなげたい考えです。
スペインのペドロ・サンチェス首相は2026年7月23日、アルムサフェス工場を訪問し、この合意を直接歓迎しました。サンチェス首相は「この合意は、スペインが国際的な投資を呼び込み、国内に自動車製造を定着させる能力を示している」と述べています。首相は事前の政府関与を通じて交渉の促進にも関与しており、バレンシア州のフアンフラン・ペレス・リョルカ州首相も同日の発表イベントに出席しました。