この攻撃で10人が死亡しました。犠牲者の内訳は、ウクライナ人水先案内人1人、そしてシリアとインド出身の外国人船員9人です 。インド外務省は、死亡した4人がインド国民であり、1人が重体であると確認しました 。ウクライナ当局によれば、8人の乗組員が夜通しの捜索活動で救助されました 。この攻撃は、戦争開始以来、黒海で起きた民間商船への攻撃としては最悪の死傷者数となりました。ウクライナ当局は、7月中にロシア軍の攻撃でオデーサ州全体で少なくとも28人が死亡したと報告しています 。
Golden Leo号への攻撃は、商業事業者が次々と撤退する連鎖の最終局面でした。各社は、船舶と乗組員へのリスクが許容範囲を超えたと表明しています。
カーンネル・ホールディング(ウクライナ最大の穀物輸出企業)は、最初に撤退した主要企業です。7月10日から12日にかけてのロシア軍のミサイル・無人機攻撃を受け、同社は7月13日、チョルノモルスク港での全事業を停止しました。同社はこの攻撃を「戦争開始以来最大級のもの」と表現しています 。この攻撃により、同社のターミナルで約4万5000トンの小麦と9000トンのひまわり油が被害を受けました 。カーンネルは、事業再開の時期は不透明だと述べています 。
マースク(世界最大のコンテナ船社)は、7月22日にこれに続きました。同社は、ウクライナのチョルノモルスク漁港経由のサービスを即時停止し、貨物をルーマニアのコンスタンツァ港へ振り替えると発表しました 。声明でマースクは、安全保障状況の悪化と、船舶と乗組員へのリスクが高まったため、ウクライナ港湾への貨物配送の安全を保証できなくなったと述べています 。
7月23日までに、これらの撤退は連鎖的に広がり、ほぼ全面的な運行停止に至りました。ウクライナのタラス・ヴィソツキー農業政策・食料大臣は、船主らが農業輸出向けの全船舶の入港を一時的に停止したことを確認しました。ヴィソツキー大臣は「これは船主による決定です。ウクライナ政府はいかなる制限も課していません」と述べています 。
この運行停止は、世界最大級の穀物輸出ルートの一つに直接的な打撃を与えました。攻撃と事業者の撤退の直接的な結果として、ウクライナは黒海経由の穀物輸出能力の約3分の1を失いました 。その影響はリアルタイムの船舶動静に如実に表れています。ウクライナへの入港商船数は、攻撃激化前の1日平均8隻から、7月21日にはわずか3隻に減少しました 。7月23日までにその数はゼロになりました 。
この危機を受け、ウクライナのアンドリー・シビハ外相代行は国連安全保障理事会の緊急会合を要請し、7月27日に開催されることになりました 。シビハ代行は、ロシア軍がここ数日で少なくとも3隻の民間貨物船を攻撃し、数十人の乗組員が死傷したと述べています 。この会合は、農業の収穫期のピーク時に黒海の貿易回廊を麻痺させた攻撃について協議するために特に要請されたものです 。
ウクライナの輸出が途絶えたことは、国際商品市場に即座に影響を及ぼしました。ロイター通信などは、港湾や穀物運搬船への攻撃の激化が小麦価格を急騰させたと報じています 。さらに、この供給懸念はロシア側での同時多発的な混乱によってさらに悪化しました。ウクライナによるロシア船舶への無人機攻勢により、モスクワはドン・アゾフ運河とケルチ海峡(ロシアの穀物輸出の約4分の1を扱う)を通る船舶の航行を停止せざるを得なくなったのです 。
2026年7月23日までに、ロシアによる組織的な軍事行動により、ウクライナの黒海港への商船の航行は完全に停止しました。7月19日のGolden Leo号への致命的なミサイル攻撃(10人死亡)が決定的な転機となり、マースクやカーンネルといった事業者や船主が撤退するに至りました。その結果は深刻です。ウクライナの黒海経由の穀物輸出能力は約3分の1減少し、ウクライナへの入港船舶数はほぼゼロにまで落ち込み、7月27日には国連安全保障理事会の緊急会合が召集され、世界の小麦価格は、世界で最も重要な農業貿易ルートの一つが失われたことを織り込んで急騰しました。