GTの中核をなすのは、JLRが新たに開発した 「Electric Modular Architecture (EMA)」 です。 これは、フルサイズの「レンジローバー・エレクトリック」が採用するMLAプラットフォームとは異なり、当初から電気自動車(BEV)を前提に設計された「エレクトリック・ファースト」のアーキテクチャーです。 四輪駆動とフラットフロアを実現し、将来的にはプラグインハイブリッド(PHEV)などにも対応できる柔軟性を持っています。
このEMAプラットフォームは、次世代の「レンジローバー・イヴォーク」や「ディスカバリースポーツ」にも採用される予定で、JLRの多様な生産戦略の要として位置づけられています。
レンジローバーGTは、4ドアのファストバック・グランドツアラーです。フレームレスドアを採用し、クーペのようなルーフラインが特徴。全長はレンジローバースポーツと同等ですが、最低地上高は最もコンパクトなエヴォークよりも低く設定されています。 そのスタイルは「クロスクーペ」や「クーペクロスオーバー」と評されます。
ある英自動車メディアは、カモフラージュされたテスト車両について「グランドピアノを上から落としたようなレンジローバースポーツ」と表現しました。 空力性能を最優先に設計されたボディは、SUVの兄弟車と比較して航続距離の向上と俊敏なハンドリングに貢献すると期待されています。
レンジローバーGTは、英国マージーサイド州にある ハロウッド工場 で生産されます。ここでは内燃機関車やハイブリッド車と同一ラインで製造されます。 JLRは同工場に対し、EMAプラットフォームの生産とバッテリー組み立てに対応するため、5億ポンド(約950億円)の投資を実施しています。
JLRはGTの最終的な技術仕様をまだ公表していませんが、EMAプラットフォームを採用するBEVとして、800Vアーキテクチャーに対応することが確実視されています。 参考までに、2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初公開されたレンジローバー・エレクトリック(118kWhバッテリー搭載)は、350kWまでの急速充電に対応し、10%から80%までの充電を60分未満で完了します。 GTも同様の充電性能を共有するとみられます。
また、車内には前席に2つ、後席に2つの計4つのワイヤレス充電パッドが標準装備される予定で、ある専門メディアは「量産車でこれほど多くの充電パッドを見たことがない」と驚きを隠しませんでした。
GTのパワートレインは、発売時点では BEV(バッテリー電気自動車)のみ となります。 しかし、EMAプラットフォームの設計思想に基づき、ライフサイクル後半にはHEV(ハイブリッド)モデルが追加される計画です。 JLRの公式発表でも、プラットフォームには「ライフサイクル後半にフルHEVオプションを追加する柔軟性が計画されている」と明記されています。
レンジローバーGTは、レンジローバー、レンジローバースポーツ、ヴェラール、イヴォークに並ぶ、5番目のレンジローバーモデルです。既存車種を置き換えるものではありません。 スポーティでありながらラグジュアリーなグランドツアラーとして、長距離電動ツーリングを想定。ラウンジのような静粛性を重視したキャビンが特徴です。
サイズ感はおおむねヴェラールに近く、全長は約4.8mと予想されますが、ボディはより低く、空力を追求した形状です。 一部の報道では、全長はレンジローバースポーツ並みで全高はエヴォークよりも低いとされています。 発売当初は4人乗りで、後日5人乗り仕様も追加される予定です。
レンジローバーGTは、JLRが掲げる190億米ドル規模の変革計画 「Reimagine戦略」 の非常に重要な構成要素です。 この戦略の下で、JLRは以下の目標を掲げています。
JLRは、バッテリー容量、最高出力、航続距離、価格などの数値はまだ公式発表していません。これらの詳細な技術仕様は2026年末までに公開される予定です。 プロトタイプは未だカモフラージュが施された状態で、エクステリアの全貌は見えていませんが、一部メディアにはインテリアが公開されました。