任天堂はまた、本作が『スプラトゥーン4』の代わりではないことも明確にしており、真のナンバリング続編はすでに計画中であることを示唆している。『レイダーズ』はあくまでシリーズの選択肢を広げる実験的な一歩であり、本流を代替するものではないのだ。
開発初期の段階では、ゲームプレイの核として「トラップ」システムが検討されていた。これは『サーモンラン』モードの金イクラ回収メカニクスに着想を得たもので、コンベアベルトで自動的にイクラを運搬できるガジェットなどが試作された。
しかしチームは最終的にこのアプローチを放棄する。理由は、金イクラの収集と運搬というプロセスが、本来重視すべき痛快なアクションの勢いを損ねてしまっていたからだ。
そこで開発陣はイクラの受け渡し要素を完全に排除し、ガジェットの種類を絞り込んで、敵を倒すことだけに純化した。こうして生まれたのが、現在の「ガジェットシステム」である。プレイヤーは「スピードタンク」「パワータンク」「タクティカルタンク」の3カテゴリーから好きなタンクを選び、それぞれに用意されたカスタマイズ可能なガジェットを装備して戦いに臨む。
初期のコンセプトアートでは、スピラライト諸島は『スプラトゥーン2』のリゾートエリアを思わせる、美しい海と白い砂浜が広がる明るい観光地として描かれていた。ところが、プレイテストを行ったところ、プレイヤーから「こんなにかわいくて平和そうなシャケを攻撃するのに罪悪感を覚える」という声が上がり、さらに冒険を進める動機が不明確になってしまうという問題が浮上した。
アートディレクターの園山茂樹氏は、この転機をこう振り返る。「大きな方向転換を決断し、『わけのわからない場所に迷い込んでしまった』という感覚をキーコンセプトに、デザインの方向性を劇的に変えました」。
チームは環境オブジェクトからライティングに至るまで、ありとあらゆる要素を一から見直した。ゴミや奇妙な物体、ネガティブなイメージをふんだんに配置し、シャケが過去作よりもはるかに脅威的で、「異様」に見えるように演出した。この不安をあおる雰囲気は、テクノ、ダブ、ミニマル調の音楽によってさらに強化されている。この音楽は、インクリングやオクトリングには「ほんの少し不安を感じさせる」一方で、シャケの世界の環境音楽としても自然に聞こえるよう、緻密にデザインされた。
「レイダーズ(Raiders)」という名前は、ゲームプレイの核心とプレイヤーの役割を巧みに表現している。メカニックの主人公とDeep Cutは、スピラライト諸島に「宝を求めて探索し、シャケの大群と戦いながら略奪する(レイドする)」。
このタイトルは、単に防衛したり競争したりするのではなく、敵の縄張りに積極的に乗り込み、資源を強奪するという、攻撃的で探検的なゲームプレイを強調している。さらに、「レイダーズ」という言葉は、主人公メカニックのたくましいクラフツマンとしてのアイデンティティとも見事に調和する。彼/彼女は廃材からガジェットを組み立て、単独または仲間とともに危険な領域を突き進むのだ。
任天堂がタイトルの意味を一言で説明する公式声明を発表したわけではないが、宝探し、略奪、ガジェット主体の戦闘という一貫したフレーミングから、「襲撃(レイド)」というコンセプトが本作のテーマ的核心であることは明白だ。