SpaceXがIPO後初めての四半期決算を発表するのは2026年8月4日(2026年第2四半期=4~6月期の決算)の予定です。この決算発表が最初の2つのトランシェの引き金となります。
トランシェ1 – 20%の無条件解除: 2026年第2四半期決算発表から2営業日後(推定8月6日頃)に、「早期解除適格株(Early Release Eligible Shares)」の最大20% が売却可能となります。この対象には一般従業員、経営幹部、取締役、初期投資家が含まれます。対象株数は約9億1150万株で、IPO時の株価ベースでの時価総額は約1230億ドルに上ると推定されています。
トランシェ2 – 株価連動の条件付き10%ボーナス解除: 同じタイミングで、さらに10% が解除される可能性があります。ただし、この解除には株価条件が課されています。SPCXの終値が、決算発表前の連続10営業日のうち5日以上、IPO価格(135ドル)を30%以上上回っていることが必要です。135ドルが基準の場合、条件達成ラインは約175.50ドル以上となります。この条件付きトランシェは約4億5580万株、時価約620億ドルに相当します。
最初の決算連動解除が行われた後、従業員・インサイダーの残り株式は、時間経過に基づく複数のトランシェで段階的に解放されます。
| マイルストーン | 推定日 | 解除率(累積) |
|---|---|---|
| Q2決算発表+2営業日 | 2026年8月6日頃 | 20%(+条件達成時+10%) |
| IPO後70日 | 2026年8月20日頃 | +7% |
| IPO後90日 | 2026年9月9日頃 | +7% |
| IPO後105日 | 2026年9月24日頃 | +7% |
| IPO後120日 | 2026年10月9日頃 | +7% |
| Q3決算連動解除 | 2026年後半 | 約+28% |
| 180日経過後(最終) | 2026年12月頃 | 残り(累積で浮動株約40%) |
注:上表は複数ソースのデータを総合したものです。正確な日付や割合は、IPO日程や決算発表日の確定により若干変動する可能性があります。
上記の解除スケジュールは、イーロン・マスク氏および一部のIPO前大口投資家には適用されません。彼らには完全に別の長期制限が課されています。
重要な違い: インサイダー・従業員株は2026年8月から12月にかけて段階的に解除され、浮動株は約40%に拡大します。一方、マスク氏の約40%超の保有分は2027年半ばまで完全にロックされたままです。この結果、IPOから約1年後に2度目の大規模な解除イベントが発生し、その時点で全株式の95%超が売却可能になる可能性があります。
SpaceXのアプローチは異例ですが、完全に前例がないわけではありません。通常のロックアップでは、180日経過後に全制限株が一斉に解除されるため、急激な売り浴びせ(ダンプ)が発生しがちです。SpaceXの段階的方式は、売り圧力を複数の日付に分散させることで、一度に大きな株価下落が起きるリスクを軽減します。
ただし、解除される株式の規模自体は圧倒的です。最初の約1230億ドル相当のトランシェだけでも、IPO直後にナスダック市場で取引されていた株式の時価総額(約860億ドル)を上回ります。そして2027年半ばにマスク氏の保有株が解除された場合、潜在的供給量は莫大なものになります。もちろん、実際に売却するかどうかはマスク氏自身の判断によります。
22Vリサーチのストラテジスト、ジェフ・ジェイコブソン氏はYahoo Financeに対し、決算発表後の20%解除、追加条件付き10%、そして8月21日と9月10日頃の各7%解除が、直近で注視すべき重要な日程だと指摘しています。またロイターは2026年7月の報道で、12月までのロックアップ満了により浮動株が40%に上昇し、売り圧力が強まれば「不吉な兆候となる可能性がある」と伝えています。
SpaceXのIPOロックアップは、「単一の満了日」ではなく、「複数の明確なイベントが連続するカレンダー」として理解すべきです。個人投資家がSPCXを追う場合のクリティカルデートは次の通りです。
これらのそれぞれが、株価に影響を与え得る株式供給増加イベントです。どれ一つとして軽視できません。