この逮捕から数時間後、英国の王立検察庁(Crown Prosecution Service、以下CPS)は両兄弟に対する刑事告発を大幅に拡大する驚きの発表を行った。
2026年7月19日、CPSは両兄弟に対し新たに38の罪状を承認したと発表。内訳は以下の通り。
これにより、両兄弟の英国での総告発数は59件に上る。
なお、2025年5月に承認された以前の告発(アンドリュー10件、トリスタン11件)には、強姦、人身売買、暴行、売春利益管理などが含まれており、これらは今回の追加告発の基礎となっている。
新たな告発には複数の女性被害者が含まれている。検察当局は被害者名の公表を拒否しており、この決定を巡って兄弟側が起こした裁判所への異議申し立ては、2026年6月に高等裁判所判事によって却下された。この事件の被害者は少なくとも6人の女性に上り、以前の告発は3人、新たな告発によりさらに被害者が追加されている。容疑行為の時期は2010年から2017年とされ、以前の告発では2014年から2016年に焦点が当てられていた。
両被告は米英両国の国籍を保有している。アンドリューはワシントンD.C.生まれで、兄弟は英国で育った。この二重国籍は引き渡し手続きにおいて重要な要素となる。米国市民が米国領土内で英国当局の要請により逮捕されたケースであるためだ。
兄弟は今週中にマイアミの連邦裁判所に出廷し、最初の引き渡し審理を受ける見通し。英国当局は正式に引き渡しを請求し、両被告を英国に移送して59の刑事告発に基づく裁判を実施する方針だ。
テイト兄弟は逮捕前、ルーマニアに居住し、同国でも別件の刑事手続きを受けていた。2024年、ルーマニア当局は未成年者との性行為や未成年者の人身売買を含む新たな捜査を開始。この捜査では計35人の被害者が確認され、そのうち1人は事件当時わずか15歳だった。
英国は2024年3月からルーマニア経由での兄弟の引き渡しを求めていたが、兄弟側はこの手続きに異議を唱えていた。2025年5月、兄弟の弁護士は「ルーマニアでの法的手続き終了後、英国に戻って告発に応じる」と表明していた。しかし今回、マイアミでの逮捕により、ルーマニアからの移送が行われる前に米国本土で身柄を拘束される結果となった。
アンドリュー・テイトとトリスタン・テイトは、全司法管轄区域におけるすべての告発を一貫して否認している。両被告は英国の告発を「魔女狩り」と表現し、検察当局の決定を法廷で争ってきた。2026年6月には被害者名開示を求める提訴を行ったが、これは棄却されている。
アンドリュー・テイトは別途、英国で女性から起こされた民事訴訟(2014年の強姦を主張)も抱えており、刑事事件と並行して審理が進められている。また米国でも、4人の女性が性的暴行と強制労働を主張する民事訴訟を起こしており、こちらも進行中だ。
兄弟は今週中にマイアミの連邦裁判所で最初の引き渡し審理に出廷予定。英国当局は正式に引き渡しを請求し、合計59件の刑事告発に基づく英国での裁判を求める。この引き渡しプロセスがどの程度の期間を要するのか、またルーマニアでの進行中の法的手続きとどのように調整されるのかは、今後の展開次第となる。