この提携は2023年8月にさらに深まり、SDFがMoneyGram Internationalの少数株主となった。SDFのCEOであるDenelle Dixon氏は、この投資判断は「非常に容易だった」と述べ、資金はSDFの自有資金から出資された。この株式取得により、両組織の利害はより緊密に一致し、SDFはMoneyGramの取締役会に議席を得た。
2026年4月には、MoneyGramとSDFは複数年契約を延長し、メキシコシティのStellar Houseで発表された。ラテンアメリカを皮切りに、ステーブルコイン決済サービスを拡大する内容だ。同財団は「5年間のパートナーシップを延長する」と述べている。2026年5月には、MoneyGramはStellarブロックチェーンの提携を活用し、エルサルバドルに事業を拡大した。
MoneyGramはSDFとの提携を基盤に、Stellarネットワークのバリデータとして正式に参加した。2026年7月17日付の報道によれば、このバリデータ参加は「クロスボーダー決済と決済のためのブロックチェーン技術の統合における重要な一歩」とされている。
複数の情報源(SDFやPayPalのJose Fernandez da Ponte氏の投稿を含む)が、MoneyGramがStellarのTier 1バリデータとして迎えられたことを確認している。SDFはLinkedIn上で、「MoneyGramのTier 1バリデータへの参加は、その参画における新たな章を示すものです。Tier 1バリデータは、ネットワークの回復力、セキュリティ、長期的な信頼性を維持する上で重要な役割を果たします」と述べている。MoneyGramと同時に、Figure MarketsとRangeも新たなTier 1バリデータとして参加した。これらの新バリデータは2026年8月中旬までに稼働開始する予定である。
Tier 1ステータスについて補足すると、Stellarでは、地理的に分散された3つのフルバリデータを運用し、99.9%以上の稼働率を継続的に達成し、SEP-20とSEP-1による自己検証を行い、既存のバリデータセットと積極的に連携する組織と定義されている。このプロセスは一方的なものではなく、既存のTier 1組織がそれぞれ独立して、新しいバリデータを自身のクォーラムセットに追加するかどうかを決定する。2026年7月初旬には、AlchemyもStellarのTier 1バリデータになっている。
MoneyGramは2026年6月2日、Stellarブロックチェーン上にネイティブ展開された米ドル裏付けのステーブルコイン MGUSD を発行した。主な詳細は以下の通り。
MGUSDの発行からわずか20日後、MoneyGramは2026年6月22日に、Solanaブロックチェーンのバリデータとなり、Solana Developer Platformに参加したことを発表した。主な事実は以下の通り。
Stellar以前、MoneyGramはリップルとの商用パートナーシップ(2019年~2021年3月)を結んでいた。リップルとの契約は、XRPを活用したクロスボーダー決済商品であるODL(On-Demand Liquidity)をMoneyGramが使用する代わりに、リップルがMoneyGramに報酬を支払うというものだった。
この提携は、SEC(米証券取引委員会)が2020年12月にXRPを未登録有価証券とみなす画期的な訴訟をリップルに対して起こした後、2021年3月に終了した。MoneyGramは、SECの訴訟が自社の事業に「重要な影響を与えるものではない」とし、リップルとの関係を更新・拡大しないと表明した。その直後の2021年10月、MoneyGramはStellarへと舵を切ったのである。この転換は、SEC訴訟による規制の不確実性の直接的な結果として広く報じられ、Forbesは「MoneyGram、リップルの競合Stellarと提携」と見出しを打った。
MoneyGramは、ブロックチェーンの商用ユーザー(リップル時代)から、インフラ参加者へと進化した。複数チェーンでのバリデータ運用、自社ステーブルコインの発行、SDFとの資本提携の深化は、単一のブロックチェーンに賭けるのではなく、ブロックチェーンにとらわれないインフラを戦略的に構築していることを示している。