米国預託証券(ADR、1株あたり普通株式の10分の1を表す)は1株149ドルで価格設定され、NasdaqではティッカーシンボルSKHY(当初はSKHYV)で取引を開始した 。上場初日には時価総額が一時2200億ドルを超えた 。
この上場はその規模だけでなく、浮き彫りにされた市場のダイナミクスでも注目に値する。すなわち、同社CEOが「2030年超まで続く」と予測する世界的なメモリ不足、IPOで調達した資金を原資とする積極的な能力拡大計画、そして上場後に見られたソウル市場での同社株の約20年ぶりの大幅下落である。
SKハイニックスは1億7790万株の米国預託株式(ADS)を1株149ドルで売り出し、約265億ドルを調達した 。ADRは初日の取引で170ドルで寄り付き、公開価格から約13~14%上昇した 。翌週火曜日までに株価は193.92ドルまで上昇し、公開価格から約30%、初週としては約27%の上昇率となった 。
この売り出しは、機関投資家の間で7倍の応募倍率となったと報じられている 。引受幹事はBofA証券、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガンが務めた 。
Nasdaq上場の当日、クァク・ノジュンCEOは自身初の英語インタビューで衝撃的な予測を語った。世界的なメモリ不足は「おそらく2030年以降も続くだろう」と述べ 、特に2027年は「供給面で業界史上最悪の年になる」と予測した 。
「顧客からの需要は増え続ける一方で、当社の生産能力は……追いつかない」と、クァクCEOは7月10日にロイターに語った 。顧客はすでに長期供給契約を結び始めているが、その理由は「供給不足の状況が長く続くと考えているから」だと説明した 。
この警告は、SKグループのチェ・テウォン会長が2026年3月と6月に述べた見解と軌を一にするものだ。チェ会長は、AI需要に牽引されたメモリ不足は2030年まで続く可能性があり、業界全体のウエハー供給は需要に20%以上遅れていると述べていた 。
SKハイニックスはNasdaqでの調達資金を積極的なファブ(半導体工場)拡張に充てる計画だ。同社は今後5年間で総ウエハー生産能力を倍増し、メモリ不足の緩和を目指す 。
その野望の規模を示す動きとして、SKハイニックスはASMLに対して約80億ドルの極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置を発注した。これはメモリ業界では過去最大級の単一装置発注である。この契約には少なくとも20台のEUVスキャナーの購入が含まれ、納入は2027年12月までに予定されている。これらの装置は清州(チョンジュ)M15X工場と龍仁(ヨンイン)半導体クラスターに導入される 。
SKハイニックスが急成長を遂げている原動力は、高帯域メモリ(HBM)における支配的な地位である。HBMはNVIDIAのAIアクセラレーターに不可欠な専用DRAMだ。カウンターポイント・リサーチなどのアナリストによると、2026年第1四半期時点でSKハイニックスは世界のHBM市場の約57~58%を占め、サムスンとマイクロンはそれぞれ約21%ずつを占める 。
同社のリードは次世代技術にも及んでいる。SKハイニックスは、NVIDIAが開発中とされる次世代AIプラットフォーム「Vera Rubin(ベラ・ルービン)」向けのHBM4の初期受注で70%超を確保し、NVIDIAの主要HBMサプライヤーとしての地位を確固たるものにしている 。SKハイニックスは2026年2月にHBM4の量産を開始している 。
財務実績はこの戦略的ポジションを如実に反映している。2026年第1四半期の営業利益は前年同期比405%増の37兆6100億ウォン(約250億ドル)に達し、営業利益率は72%に達した 。
Nasdaqデビューの熱狂は、ソウル市場における同社株の急落によって和らげられた。7月13日(月曜日)、韓国取引所のSKハイニックス株は15%超急落——約20年ぶりの大幅な1日下落率——これは、2026年に株価が3倍以上に急騰していたことから、国内投資家が利益を確定したためである 。米国上場のADRもこの月曜日の時間外取引で8.3%下落し、154.10ドルとなった 。
この前の7月12日には、ソウル株が最大4.4%下落し、ADRも金曜日の上昇を受けて2.2%安の164.40ドルで寄り付くという下落もあった 。7月中旬までに、SKハイニックスのADRはソウル上場株に対して50%超のプレミアムで取引されるようになった。これは米国の機関投資家の強い需要と構造的な転換制限によるものである 。
入手した情報源では、元の記事に含まれていたいくつかの主張を裏付ける証拠は見つからなかった。バークレイズのアナリストによるSKハイニックスADRへの推奨、IBMによるAI関連支出シフトに関する警告、CXMTのIPO、ラウンドヒル・メモリーETFのローンチ、UBSによるADR推奨などの報告は、今回収集した情報源では確認できなかった。