ツシャッハ氏の否定は、SWIFT自身のブロックチェーンへの動きと完全に符合している。彼の投稿の前日(2026年7月9日)、SWIFTはブロックチェーンベースの共有台帳を正式にローンチ。シティ、HSBCを含む17行が初期参加し、イーサリアム仮想マシン(EVM)互換のHyperledger Besuをベースとするパーミッション型フレームワーク上に構築された。
この台帳は、トークン化された銀行預金と、企業・財務フローの24時間365日クロスボーダー決済を目的として設計されており、すでにライブ取引のパイロットが開始されている。 SWIFTの公式プレスリリースはこれを「信頼された機関インフラ上で24時間365日の決済利用可能性とより良い流動性効率を実現する」動きと位置づけており、パブリックでパーミッションレスなXRPとは正反対の理念に立つ。
設計段階には40以上の金融機関が参加し、2026年3月30日に完了。 このシステムは決済ネットワークそのものではなく、銀行間の支払いコミットメントを記録・検証するソフトウェアコーディネーターであり、最終的な銀行間決済は従来のチャネルを通じて行われる。
言い換えれば、SWIFTは銀行のための壁に囲まれた独自のブロックチェーンを構築している。ツシャッハ氏の否定は、その競合姿勢を公に示したものに他ならない。
グレイスケール・インベストメンツは、XRPをSWIFT統合の主張とは完全に独立した投資ナラティブとして位置づけている。
2026年7月8日、グレイスケールはフレームワークを発表し、8つの主要暗号資産ナラティブの一つとしてXRPの「グローバルペイメント」を挙げた(ビットコインは「デジタルマネー」、イーサリアムは「ワールドコンピューター」、ソラナは「ハイパフォーマンス」など)。 グレイスケールのディレクター、シャリフ・アスカリー氏は、XRPがクロスボーダー決済の主要資産として位置づけられており、ETFが機関需要を解放する可能性があると論じている。
また、グレイスケールは**XRPトラスト(ティッカー:GXRP)**をNYSE Arcaに上場。ETFキャピタルマーケッツ担当SVPは、これを「成長するXRPエコシステムへのアクセスを広げる有意義な一歩」と呼んだ。
重要なのは、グレイスケールの枠組みはあくまで投資テーゼであり、SWIFT統合の主張ではないということだ。これはXRPの決済における潜在的な有用性を述べたものであり、レガシーメッセージングネットワークとの実際のパートナーシップを主張するものではない。
機関サイドの証拠は、現実的だがほとんどが間接的な採用を示している。多くは中核的な銀行システムへの直接統合ではなく、規制されたラッパーを通じたものだ。
これが最も具体的な機関採用データである——ただし、XRPをバックエンドの決済レイヤーとしてではなく、取引可能な資産として採用していることの証拠である。
これは本物で測定可能な機関需要である。2026年半ばまでに、このカテゴリーは7ファンドで約**15億3,000万ドルの運用資産(AUM)**を保有していた。 しかし、これは規制された乗り物を通じた価格エクスポージャーへの需要である。あるアナリストが指摘するように、「ETFはXRPを決済や送金に使用しない。単にその価格をトラッキングしているだけだ」。
ツシャッハ氏の7月10日の否定は、繰り返し発生する市場現象の典型例である。
パターンは一貫している。ETF、トラスト、散発的な銀行保有といった実際の機関との近接性が、事実が裏付けないレガシーシステムとの正式統合のナラティブに増幅される。15億ドルのETF流入額は暗号資産の基準では印象的だが、SWIFTネットワーク——200以上の国々で11,500以上の機関を接続し、年間推定150兆ドルのクロスボーダー取引を支える協同組合——を毎日流れる決済額のほんの一部に過ぎない。