フィーチャーレース(7月5日): 5番グリッドから「圧巻のスタート」で1コーナーで2番手に浮上。ピットストップ後、クシュ・マイニをとらえ、29周中20周目に決定的なパス。その後は後続を寄せ付けず、楽々と優勝した
。ラファエル・ヴィラゴメス、クシュ・マイニの順でフィニッシュ
。
この結果を受け、選手権順位は劇的に変動した。
ツォロフの速さは「まったく敵わない」と評され、忍耐強さと卓越したレースクラフトを見せつけた。特に、コプスからマゴッツ、ベケッツにかけての高速コーナーでクシュ・マイニをパスした場面は、今季最高のオーバーテイクと称された。
ツォロフのF1への道筋を巡る憶測は、複数の要因が絡み合い、関係者の発言も食い違う複雑な様相を呈している。
元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、今年のF2を観戦した経験から、ファンに対して「その名前を覚えておいてほしい」とツォロフを絶賛。クルサードは、ツォロフを先輩にあたるアービッド・リンドブラッドとともに、次に注目すべきレッドブルジュニアと位置づけている
。
レッドブルとレーシングブルズのドライバーラインナップは飽和状態にあり、才能が行き場を失っている。
英Autosportは、レッドブルとレーシングブルズが2027年のラインナップを巡り「難しい決断」を迫られていると分析。ツォロフがジュニア内で最有力候補とされる一方、ローソンのパフォーマンスも無視できず、決断は「単純ではない」と報じている。
しかし、チーム側の公式見解はこれと矛盾する。
ところが、ほぼ同時期に、スペインメディアのSoyMotorが「レッドブルは19歳のツォロフに対し、2027年にレーシングブルズでドライブするよう伝達した」と報道。さらに、レーシングブルズCEOのペーター・バイヤーは、ツォロフに今年秋、旧型F1マシンによるTPC(Test of Previous Cars)テストを実施する計画を認めており、事実上の昇格準備を進めていることを示唆している
。
シートを奪われる可能性が指摘されるリアム・ローソンは、2026年7月9日に初めてこの憶測に言及。「(自分のシートが危ういという)兆候は何もない」と述べ、ツォロフのF2での活躍に慌てることはないと、落ち着いた姿勢を示した。
総評: ツォロフのシルバーストンでの完全制覇は歴史的なものであり、F2タイトル獲得の最右翼であることに疑いの余地はない。しかし、2027年のF1昇格への道筋は依然として不透明だ。チーム首脳は正式契約を否定する一方、組織はTPCテストの計画を通じて明らかに昇格を視野に入れた準備を進めている。決断は、F2シーズン後半のツォロフのパフォーマンスと、ローソン、ハジャー、リンドブラッドの2026年残りシーズンの成績次第となるだろう。