この採決の意味: この採決により、欧州議会はEU理事会および欧州委員会との**三者協議(トリローグ)**に入ることが可能になりました。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、Euronewsに対し「議会が圧倒的多数で交渉権限を承認したことを祝福したい」と歓迎しました。
三者協議で最も議論を呼んでいるのが、デジタルユーロを流通させる銀行や決済サービス事業者(PSP)への補償モデルです。主な論点は以下の通りです。
欧州議会の交渉権限によれば、デジタルユーロはECBが発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)であり、現金を補完するものと位置づけられています。ラガルド総裁は「目的は支払いを追跡することではない」と強調しています。主な特徴は次の通りです。
デジタルユーロの根底にある動機は、欧州の通貨主権と戦略的自律性を強化することです。デジタルユーロは「EU域外の事業者への依存を減らしながら、市民や企業にプライベートで安全かつ革新的な支払い手段を提供する」とされ、特に欧州の小売決済市場を支配するVisaやMastercardといった米国発のカードネットワークへの依存軽減が狙いです。
ロイター通信は2026年6月、この構想が「大西洋を挟んだ関係がぎくしゃくする中、ユーロ圏の米国クレジットカードへの依存を減らす」ことを目的としていると報じています。ECB当局者は、このプロジェクトを「EUの通貨主権の強化、小売決済の断片化の是正、ユーロの国際的な役割の支援」に不可欠と位置づけています。
デジタルユーロは、欧州のPSPに対し「制度手数料や処理手数料がかからない、完全に受け入れられる代替スキーム」を提供し、米国系ネットワークに対する交渉力を高める効果が期待されています。