| 3nm比10〜20%高、2026年から少なくとも2029年まで毎年値上げ予定 |
| Samsung | 約2万ドル(約310万円) | TSMC比33%引きだが、品質面での課題残る |
TSMCの値上げ戦略も複雑な要素を加える。同社は2026年から2029年まで、先進ノードで**年率3〜10%**の値上げを顧客に通知しているとされる。ラピダスが足場を固めようとする期間に、価格の基準線がどんどん上がっていく計算だ。
ラピダスは2022年8月10日に設立された。日本の産業界トップクラスの企業が結集したコンソーシアムで、ミッションは「日本に最先端ロジックファウンドリーを取り戻す」こと
。かつて世界を席巻した日本の半導体産業が長く低迷した反動として、官民一体で立ち上げられた。
主な支援者:
総資金調達額(2026年半ば時点):
ラピダスは量産に向けて確実に技術的な節目を通過している。
ラピダスは独自の製造モデル 「Rapid and Unified Manufacturing Service(RUMS)」 を採用。100%単一ウエハー処理にAIを統合し、TSMCの大量バッチ処理に比べて開発サイクルを劇的に短縮する戦略だ。
攻めの価格設定と着実な技術マイルストーンを達成したラピダスだが、克服すべき課題は山積している。
極度な資本集約性: 日本政府はすでに160億ドル超を投じているが、収益化までの総コストは300〜400億ドルに達する可能性があり、十分な顧客注文の保証はない。
顧客獲得の難しさ: TSMCは何十年もの信頼、膨大な設計IP・EDAフローのエコシステム、そしてApple、NVIDIA、AMD、Qualcommといった固定客を抱える。実績のあるN2から顧客を奪取するのは極めて困難だ。
歩留まりと製造習熟曲線: ラピダスは大量生産の実績がゼロ。パイロットラインの成功から、最先端GAAノードで商業的に成立する歩留まり(80%超)を達成するのは途方もない難題である。
規模の不利: TSMCの2nm生産能力は2026年だけで月産約6万枚とされる。ラピダスの初期6000枚/月はその10分の1であり、コスト競争力と顧客割り当ての制約となる
。
地政学的依存: 事業は日本政府の支援に大きく依存している。政治の優先順位の変化や財政危機が資金調達を頓挫させる可能性がある。
技術キャッチアップリスク: 競合は待ってくれない。TSMCのN2はすでに大量生産中で、Intel 18AやSamsung SF2も競争に加わっている。ラピダスは初めての量産立ち上げを、最も高度なノードで完璧にこなさなければならない。