米イラン紛争が勃発しても、湾岸諸国の政府系ファンド(SWF)は投資意欲を一切減退させていない。サウジアラビア、UAE、カタールのトップ5ファンドは、2026年3月から5月の3ヶ月間に約**260億ドル(約3.9兆円)**もの資金を主に先進国市場に投じた 。
国際SWF専門機関グローバルSWFは「これらのファンドは(紛争開始から)5年前よりも強いペースで投資を続けており、減速の兆しはまだ見られない」と指摘 。2025年には湾岸SWFが世界全体のSWF投資額の**43%**を占め、人工知能(AI)分野でも主要なプレーヤーとなっている
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PwCの「グローバル投資家調査2025」によれば、UAEは世界で4番目に魅力的な投資先(米国、インド、中国に次ぐ)にランクイン 。さらに、Kearneyの「FDI信頼度指数2026」では、UAEは**「今後3年間で世界で最も楽観的な経済」**として、日本(41%)やカナダ(39%)を上回る42%のネット楽観スコアを獲得
。サウジアラビアも歴史的な快挙で、13位から10位へと順位を上げ、初のトップ10入りを果たした
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世界銀行は2026年4月、中東地域全体の2026年成長率予測を3.6%から1.8%へ、GCC諸国については4.4%から1.3%へと大幅に下方修正した 。ICAEWとオックスフォード・エコノミクスに至っては、GCC経済が2026年に0.2%のマイナス成長に転落すると予測
。IMFの試算では、カタールは-14.7%、UAEは-1.9%、サウジアラビアは-1.4%など、各国で深刻な落ち込みが見込まれている
。
しかし投資家たちは違う見方をしている。彼らはこの景気後退を、構造的に健全で多角化が進み、強固な財政バッファーを持つ湾岸経済が経験する一時的な地政学ショックと捉えているのだ。世界銀行も「サウジアラビアは、同地域の他の国々よりも紛争のショックを吸収できる」と評価している 。
北米の投資家信頼度は、湾岸を相対的な安全な避難所と見なす動きから、紛争期間中も上昇 。欧州やアジアの機関投資家も、米国からアジア太平洋・新興市場への資金シフトを進めるなかで、湾岸を重要な投資先として位置づけている
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コンサルタム&ハリスXの調査(投資家の82%が強気)が示すのは、国際投資家たちが湾岸経済の**「短期的な地政学リスク」と「長期的な構造的強さ」**を明確に区別しているという事実だ。その原動力は、記録的な政府系ファンドの資金力、加速する脱石油多角化、強固な財政基盤、そしてUAEのトップ投資先としての確固たる地位にある。短期的なGDP予測が下方修正されるなかでも、投資家たちは「湾岸のファンダメンタルズは紛争サイクルを乗り越える」と確信しているのだ。