最大の材料は、日経アジアが2026年7月2日に報じたアップルの大型iPhone戦略です。記事によると、アップルは2026年下半期から2027年上半期にかけて、少なくとも5つの新型iPhoneを投入する計画であることが明らかになりました。この中には、初の折りたたみiPhoneである「iPhone Ultra」(仮称)が含まれており、価格は約2500ドル(約37万5000円)と見積もられています
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アップルはサプライヤーに対し、折りたたみiPhoneの2026年の生産目標を従来の700万~800万台から約1000万台に引き上げるよう指示しました。これは約30%の増産に相当します。これに加えて、アップルは2026年下半期分として、iPhone 18 ProやiPhone 18 Pro Maxを含む約8000万台の非折りたたみスマートフォンの部品を既に手配済みです
。2026年通年の生産台数は2億2000万台を超える見通しです
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モルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカのアナリストは以前から、アップルが折りたたみスマートフォン市場に参入することで、2027会計年度末までに同市場を2倍に拡大し、アップルに400億~600億ドル(約6兆~9兆円)の収益をもたらす可能性があると指摘していました。日経アジアの報道は、業界全体で部品供給が逼迫する中でも、アップルが積極的に市場シェアを奪取しようとしている姿勢を示すものです
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同じ日、ブルームバーグはアップルが中国の半導体メーカー 長鑫存儲技術(CXMT) および 長江存儲科技(YMTC) からメモリーチップを購入する交渉を進めていると報じました。両社は米国防総省の「中国軍事企業リスト(1260Hリスト)」に掲載されており、米国政府の承認が必要です。
調達されるチップは中国国内で販売される端末のみに使用され、世界展開する製品には使われない見通しです。アップルはトランプ政権や米商務省に対して、これらの購入を承認するようロビー活動を行っています
。CXMTは従来型DRAM、YMTCはNANDフラッシュを製造しており、これらはAIデータセンターの需要拡大により供給がひっ迫している部品そのものです
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この動きは、直前にMac・iPadシリーズの大規模な値上げを余儀なくされたAI主導のメモリー危機に対する、アップルによる直接的な戦略的対応です。
わずか1週間前の2026年6月25日、アップルはAI駆動のメモリーチップ不足を理由に、Mac・iPadシリーズの価格を100~300ドル(英国では最大300ポンド) 引き上げました。主な価格改定は以下の通りです。
ティム・クックCEOはこのコスト高を「持続不可能だ」と述べ、AIデータセンターがDRAMやHBM(高帯域幅メモリー)を大量に消費した結果、メモリーコストが前例のない水準に高騰したと説明しました。アップルは声明で「これほど急激に部品価格が上昇したことはかつてない」と述べています
。業界ではこの供給危機を「RAMageddon(ラマゲドン)」と呼び、2026年第1四半期にはメモリーの契約価格が最大98%も高騰しました
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マクロ環境も追い風となりました。2026年6月の米雇用統計が予想を下回ったことで、FRB(連邦準備制度理事会)が早期に利下げを開始するとの見方が強まりました。このマクロの追い風が株式市場全体を押し上げ、アップル株固有の勢いを増幅させる結果となりました
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7月2日の4.1%急騰は、主に日経アジアがスクープした5機種のiPhone投入計画と1000万台の折りたたみ生産目標が原動力となり、中国からのメモリーチップ調達という、つい先ごろ実施した過去最大級の値上げの根本原因(AIメモリー不足)への実践的な解決策がこの流れを強化し、さらに弱い雇用統計による利下げ期待というマクロの波に乗った形です。投資家は、成長をつかむための積極策(折りたたみiPhone、ラインアップ拡大)、コスト危機への対応(中国からのメモリー調達)、そして金融緩和の恩恵という3つのシナリオを評価したと言えるでしょう。