企業のセキュリティチームは、数多くのバラバラなポイントソリューションに埋もれ、危険な盲点と遅い対応時間に悩まされている。2026年6月29日、ServiceNowとアクセンチュアは、こうした断片化したツールを統合し、オーケストレーションされた防御体制を構築する、AIを活用した新たなサイバーセキュリティサービスで提携すると発表した。このサービスは、アクセンチュアのマネージドセキュリティの専門知識とServiceNowのAIプラットフォームを組み合わせ、両社が「AI制御塔(AI Control Tower)」と呼ぶセキュリティ運用のための統合基盤を提供する。この発表は、わずか数週間前のIBMとの協業拡大、アクセンチュアによるOTセキュリティへの巨額投資、そして米国で記録的な水準に達したデータ漏洩コストといった、一連の動きの中で行われた。
ServiceNowとアクセンチュアのサイバーセキュリティサービスは、以下の4つの重要な領域をカバーする。
1. 統合リスク管理(Integrated Risk Management) – 断片化したリスク管理ツールを一元化し、AIを活用した単一のビューで提供。リスク管理・コンプライアンスチームは、企業の脅威環境をリアルタイムで把握できるダッシュボードを手に入れる。
2. サードパーティリスク監視(Third-Party Risk Monitoring) – AIによる継続的なベンダーおよびサプライチェーンのセキュリティ評価を実施。従来のツールでは見逃されがちな攻撃ベクトルに対応する。
3. 運用技術(OT)セキュリティ(Operational Technology Security) – 産業用制御システム、電力網、パイプラインなどの重要インフラを防御。この分野は、アクセンチュアが別途進める42億ドル規模のOTセキュリティ買収戦略と直接連動している。
4. セキュリティ運用(SOC)の近代化(Security Operations Modernization) – AIエージェントと自動化を適用し、脅威の検出、調査、インシデント対応を高速化。侵害発生から封じ込めまでの時間を短縮する。
両社はまた、企業が高コストで断片化した旧式のサイバーセキュリティプラットフォームから移行するための、AIを搭載した移行ツールも発表した。
このサービスが対象とする中核的な問題は、企業のセキュリティツールの断片化である。多くの組織は、SIEM、脆弱性管理、ID保護、エンドポイント検出など、数十もの異なるベンダーのポイントソリューションを運用している。これにより、盲点が生まれ、インシデント対応が遅れ、攻撃対象全体にわたる脅威の相関関係を把握することが困難になっている。アクセンチュアのマネージドサービスとServiceNowのプラットフォームを組み合わせることで、この提携は企業を反応的でサイロ化した防御から、能動的でオーケストレーションされたサイバーレジリエンスへと移行させることを目指している
。
6月29日の発表は、単独で行われたものではない。そのわずか18日前の6月11日には、IBMとServiceNowが、企業のレガシーシステムの近代化、閉塞したデータの解放、およびコアビジネス業務へのAI適用を支援するため、複数年にわたる協業の拡大を発表している。この提携は、AI対応データ問題とレガシーアプリケーション層に焦点を当てたもので、アクセンチュアとのサイバーセキュリティ推進をデータとインフラの近代化という側面から補完するものである。
これら2つのパートナーシップは、ServiceNowが「IBMはレガシーデータ近代化、アクセンチュアはAI搭載セキュリティマネージドサービス」というデュアルパートナー戦略を実行していることを示唆している。
ServiceNow発表のわずか11日前の2026年6月18日、アクセンチュアは運用技術(OT)サイバーセキュリティにおける大規模な拡大を発表した。同社は、産業用サイバーセキュリティのリーダーであるDragosの過半数株式を取得し、runZero(攻撃対象領域管理)とNetRise(OT/IoTファームウェアセキュリティ)を完全子会社化する、約41億7500万ドルの3社同時買収戦略を明らかにした。
アクセンチュアは既に100億ドル規模のサイバーセキュリティ事業を展開している。買収される3社を合わせた2026年6月時点の年間経常収益(ARR)は約2億800万ドルで、前年比53%の成長を示している
。これらの取引は、規制当局の承認などを条件に、2026年8月または9月に完了する見込みである
。
このOTセキュリティへの大規模投資は、ServiceNowとのパートナーシップの第3の柱であるOTセキュリティを直接的に支援するものであり、アクセンチュアを270億ドル規模のOTセキュリティ市場における支配的プレイヤーの一角に位置付けるものである。
これらのパートナーシップの緊急性を浮き彫りにしているのが、最新のデータ漏洩コストの実態である。IBM/Ponemonの「Cost of a Data Breach Report 2025」によると、世界全体の平均漏洩コストは9%減の444万ドルとなり、5年ぶりに減少に転じた。しかし、米国の漏洩コストは9%増加し、過去最高の1022万ドルに達した。これは全地域中で最も高く、より厳しい規制罰金や、検出・エスカレーションにかかるコストの増加が要因である。
セキュリティ運用にAIと自動化を導入している組織は、データ漏洩コストを平均190万ドル削減している。このコスト圧力こそが、ServiceNowとアクセンチュアが提供するような、AIを搭載した統合セキュリティプラットフォームへの移行を加速させる重要な原動力となっている。
企業のセキュリティリーダーにとって、その影響は明白である。
要約すると: ServiceNowはデュアルパートナー戦略(IBMによるレガシーデータ近代化、アクセンチュアによるAIセキュリティマネージドサービス)を推進し、アクセンチュアは別途42億ドルを投じてOTセキュリティ市場の支配を目指す。その背景には、1件あたり1000万ドルを超える米国の記録的なデータ漏洩コストが存在する。
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ServiceNowとアクセンチュアは2026年6月29日、AIを活用したサイバーセキュリティサービスで提携を拡大。統合リスク管理、サードパーティリスク監視、OTセキュリティ、セキュリティ運用近代化の4分野を対象とする[2][12]。
ServiceNowとアクセンチュアは2026年6月29日、AIを活用したサイバーセキュリティサービスで提携を拡大。統合リスク管理、サードパーティリスク監視、OTセキュリティ、セキュリティ運用近代化の4分野を対象とする[2][12]。 アクセンチュアは6月18日、OTセキュリティ企業3社(Dragos、runZero、NetRise)への約41億7500万ドルの買収を発表。既存の100億ドル規模のサイバーセキュリティ事業をさらに強化する[17][18][24]。
IBM/Ponemonの2025年データ漏洩コスト報告書によると、米国の平均漏洩コストは9%増の1022万ドルと過去最高を記録。AIと自動化を活用した組織は平均190万ドルのコスト削減に成功している[42][44][52]。