DSparkの核となるのは、軽量な半自己回帰型(semi-autoregressive)ドラフトモデルが素早く複数の候補トークンを生成し、それを本来のメインモデルが一括で検証するという手法です。従来のようにトークンを1つずつ生成する自己回帰方式と比較して、並列処理が可能になり大幅な速度向上が実現します。
特にDSparkが革新的なのは、「信頼度スケジューリング型投機的復号(Confidence-Scheduled Speculative Decoding)」 を導入した点です。システムは各トークン生成の確信度に応じて、次の推測数を動的に調整。これにより無駄な検証計算を減らし、効率を高めています。DeepSeek-V4では、従来のMTP-1(Multi-Token Prediction)方式に代わって本番環境に実装されました
。
これらの数値はすべて実際のユーザーリクエストに基づくもので、合成ベンチマークではありません。従来のMTP-1方式と同一のシステムスループットで比較した場合の結果です。特に厳しいレイテンシ制約下では、DSparkは従来方式が直面するスループットの急激な低下(スループットクリフ)を回避し、これまで達成できなかった性能領域を実現
。V4-Flashでユーザーあたり毎秒120トークンを目標としたテストでは、MTP-1が限界に近づく中、DSparkは名目上のスループットで661%ものアドバンテージを示しました
。
コードベースにはEagle3、DFlash、DSparkの実装が含まれており、論文・コード・モデル重みはすべてGitHub(deepseek-ai/DeepSpec)およびHugging Faceで公開されています。
2026年6月29日、DeepSeekは 「DeepSeek V4正式版」が2026年7月中旬にリリースされる と発表しました。これに伴い、APIに時間帯別料金(ピーク・オフピーク価格) が導入されます
。
V4-Proの価格例(100万トークンあたり):
V4-Flashの価格例(100万トークンあたり):
DeepSeekはこの変更について、「リソースのより合理的な配分とサービスの安定性向上」を目的としていると説明しています。ユーザーには料金変更の24時間前にメールで通知されます
。DSparkによる高速化とこの新たな価格体系は、約500億人民元(約1兆円)の大型資金調達後の商業化推進と、オープンソース戦略の継続を両立させる動きと見られています
。