「我々は運転のためのエンドツーエンドAIシステムを構築した」とケンダルCEOは2026年5月のインタビューで語っている。「安全性を考え、インフラを考え、シミュレーションを考えるには、まったく異なるアプローチが必要なのです」。
これは、AIと手作業によるルールを統合し、超高解像度で事前地図化された地理的フェンスエリアに依存するWaymoのアプローチとは明確に対照的である。また、自社の消費者向けフリートに重点を置き、規制上の承認に長年苦慮してきたTeslaのビジョンオンリー戦略とも一線を画す。
Wayveは2026年2月、Eclipse、Balderton Capital、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2を引き受け先とする12億ドルのシリーズDラウンドを完了し、評価額は86億ドルに達した。さらに、2026年5月にAMD、Arm、クアルコム・ベンチャーズからの6000万ドル増額ラウンド、そしてウーバーからのマイルストーン達成条件付きの3億ドル追加出資を合わせると、WayveのシリーズD総額は約15億ドルとなり、累計調達額は28億ドルに上る
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このラウンドが注目に値するのは、出資を行った戦略的パートナーの幅広さと、そのほとんどが同時に顧客でもあるという点だ。
Wayveのビジネスモデルは、意図的に**資産を持たない(アセットライト)**設計である。自社で車両を所有・運行する代わりに、AI Driverソフトウェアを自動車メーカー(OEM)やモビリティ事業者にライセンス供与する。同社は自らを「ソフトウェア層」と位置づけ、車両の提供、メンテナンス、フリート運用はパートナーが行う
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「我々は技術面で非常に逆張りの見解を持っていました」とWayveのケンダルCEOはTechCrunchに2026年2月に語っている。「自動運転のためのエンドツーエンド深層学習を最初に構築し、このアプローチを先駆けました。そして今、商業化の段階に入るにあたり、ビジネスモデルにおいても逆張りのアプローチを取っているのです」。
この戦略は、協業契約、ソフトウェアライセンス、統合サービス、そして将来的なデータ収益化から収益を生み出す。これは、数千台もの車両を所有・維持する必要があるWaymoの垂直統合モデルよりも、資本効率が良く、拡張性が高いとされる
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Wayveの収益源は二つある。パートナーの車両プラットフォームに自社ソフトウェアを導入するための upfront 統合フィーと、継続的なモデル更新やOTA(無線通信)を介した改善のためのサブスクリプション料金である。
Wayveは2026年中にロンドンで商用ロボタクシー試験を開始し、2027年からは消費者向け車両に監視下での自律走行ソフトウェアを搭載する計画だ。ロンドン試験では、WayveのAI Driverとウーバーのモビリティネットワーク、ステランティスの車両プラットフォームが組み合わされる
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Wayveの戦略は、「AV 1.0」(HDマップ、手書きルール、地理的フェンスで囲まれたロボタクシー)から「AV 2.0」(地図を必要とせずに一般化できるエンドツーエンドAI基盤モデル)への、より広範な業界シフトの中に位置づけられる。
Waymoは依然として米国市場におけるリーダーであり、完全な無人商用サービスを展開している。Teslaはビジョンオンリーの「フルセルフドライビング(FSD)」アプローチを追求し続けているが、未だに無人運転の規制承認を得ていない。Wayveは、自社のライセンスモデルとハードウェアに依存しないプラットフォームが、フリートの構築・所有という資本集約的なプロセスを回避し、複数のOEMパートナーからのデータを獲得してAIの好循環を加速することで、より速くスケールできると確信している。
Wayveの主要投資家の一つであるEclipse Capitalは、2026年4月に次のように記している。「新たな15億ドルの資金を原動力に、Wayveは過去18ヶ月間の並外れた勢いをさらに加速させる拡大計画に着手している」——これには、米国、ドイツ、日本、イスラエルへのオフィス開設が含まれる。
主な不確定要素: Wayveのアプローチは商業規模でまだ実証されていない。同社はまだ収益を生み出す公共サービスを開始しておらず、その成功は、レガシー自動車メーカーが車両の根幹となる運転インテリジェンスの制御をサードパーティのソフトウェア企業に委ねる意思があるかどうかにかかっている。また、自動運転開発者すべてを悩ませてきた長尾のエッジケースを自社のAIが処理できることを証明するという課題にも直面している。
とはいえ、総額28億ドルの資金調達、自動車とテクノロジーのバリューチェーン全体に及ぶ前例のないパートナー連合、そしてフリート所有の資本集約性を回避しながら拡張可能なライセンスモデルという明確な賭けにより、Wayveは自動運転業界において最も信頼性の高い「第三の道」の物語を提示している。それは、レースに勝つためにクルマを作ることが本当に必要なのか、という根本的な問いを突きつけるものである。