ISC 2026でレノボが「DRAMとNANDの価格は2025年初頭の水準に二度と戻らない」と警告し、2030年以降まで続く高コストの「新常態(ニューノーマル)」を予測。 原因はAI需要によるHBM(高帯域幅メモリ)への生産能力シフト。2026年にはデータセンターが全世界のメモリ生産の約70%を消費するとみられている。

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2026年6月26日、ドイツ・ハンブルクで開催された高性能コンピューティングとAIの国際会議「ISC 2026」において、レノボが半導体業界に衝撃的なメッセージを投げかけました。同社は「メモリ価格は二度と戻らない」と断言し、2025年初頭の低価格水準に戻ることはなく、高止まりが2030年以降の「新常態(ニューノーマル)」になると予測したのです。この警告は、いわゆる「RAMageddon(ラマゲドン)」と呼ばれるメモリ不足が、単なる一時的なサイクルではなく、半導体業界の構造的なパラダイムシフトであることを示しています。
ComputerBaseやWccftech、TechRadarなどの報道によると、レノボはISC 2026のプレゼンテーションで、価格が「昨年のように戻ることは決してない」と明確に述べました。同社の資料では、メモリ価格が2025年第3四半期末から第4四半期初頭にかけて急上昇を始め、数ヶ月前には非現実的に思われた水準にまで達していることが示されています
。
レノボはさらに、PCやスマートフォンを含むあらゆるカテゴリの端末で継続的な値上げ圧力が続き、価格上昇が2030年以降の「新常態」になると予測しました。この見方はレノボだけのものではなく、マイクロソフトも「メモリコストが1年強で再び倍増する」との予測を別途示しています
。
この警告は抽象的なものではありません。レノボはすでに2026年2月から、上昇するメモリコストを相殺するために自社のPC価格を値上げしており、パートナー企業に対して業務用・消費者向け端末のさらなる価格変更を通知しています。
2024年以降の状況は、業界全体で「RAMageddon」や「RAMpocalypse」と呼ばれています。これは2020~2023年の半導体不足とは本質的に異なります。従来の不足がパンデミックによるサプライチェーンの混乱に起因していたのに対し、今回の危機は、世界のメモリ製造能力が意図的にAIデータセンター向けのHBM(高帯域幅メモリ)に振り向けられたことにあります
。
HBMは、大規模AIモデルの学習と推論に不可欠な専用メモリであり、従来のDRAMよりもはるかに高い利益率を誇ります。その需要は価格に対してほとんど影響を受けません。世界のメモリ生産の95%以上を掌握するサムスン、SKハイニックス、マイクロンの3社は、製造ラインを組織的にHBMへシフトさせ、PCやスマートフォン、民生機器向けの標準的なDRAMやNANDの市場を「飢餓状態」にしています
。
不足の深刻さを示す主な指標は以下の通りです。
調査会社トレンドフォースが2026年2月に発表したレポートは、価格高騰の規模を裏付けています。
これらはスポット価格ではなく契約価格であり、PCやスマートフォンメーカーの部品原価(BOM)を直接決定するものです。
メモリ業界に最も深刻な構造的変化をもたらしたのは、ISC 2026と同時期(2026年6月24~25日)に発表されたマイクロンの2026年度第3四半期決算です。
マイクロンは、データセンター事業者、ハイパースケーラー、自動車メーカーなど主要顧客と**16件の戦略的顧客契約(SCA)**を締結したと発表しました。その主な条件は以下の通りです。
この結果、マイクロンの2026年度第3四半期の粗利益率は過去最高の**84.9%**に達し、メーカー側がかつてない価格決定権を握っていることを示しました。
これらの契約は、メモリ業界の伝統的な好況・不況のサイクルを根本的に変えるものです。数年にわたって高水準の価格を構造的に固定したことで、マイクロンは「安価なメモリ」の時代が終わったことを市場に知らしめたのです。
メモリ危機の影響は、すでにエンドユーザーに転嫁され始めています。
半導体の新工場(ファブ)は、着工から最初のウェハー生産までに3年から5年かかります。現在建設中の工場がHBMや従来型DRAMの供給に本格的に貢献するのは、早くても2027年末か2028年になる見込みです
。さらに、サムスン、SKハイニックス、マイクロンによる新たな生産能力も、利益率の高いHBMにまず割り当てられる可能性が高いとされています
。レノボ自身も、主要メーカーの生産量が増加しているにもかかわらず、供給は逼迫したままだと指摘しています
。
今回の記事で取り上げた主要な事実は、すべて信頼性の高い複数の情報源によって確認されています。
安価なメモリの時代は終わりました。レノボが「新常態」と呼ぶ高止まりは、決して避けられない不運な出来事などではなく、AI時代がもたらす半導体業界の新しい現実なのです。
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ISC 2026でレノボが「DRAMとNANDの価格は2025年初頭の水準に二度と戻らない」と警告し、2030年以降まで続く高コストの「新常態(ニューノーマル)」を予測。
ISC 2026でレノボが「DRAMとNANDの価格は2025年初頭の水準に二度と戻らない」と警告し、2030年以降まで続く高コストの「新常態(ニューノーマル)」を予測。 原因はAI需要によるHBM(高帯域幅メモリ)への生産能力シフト。2026年にはデータセンターが全世界のメモリ生産の約70%を消費するとみられている。
マイクロンは最低価格保証付きの5年契約を締結、契約最低売上高は約100億ドル(約1.5兆円)に上る。
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