6月26日のETHは1,510〜1,590ドルのやや狭いレンジで推移しました 。寄り付きは1,564.86ドル付近で、その後1,543ドルまで下落。終値は1,564〜1,584ドル近辺で引けました
。1日の下落率は約1%と小幅ですが、その背景は厳しいものでした。ETHは直近1週間で7.7%〜9.6%下落し、6月1日からは21.9%もの値下がりとなっています
。
| 指標 | データ |
|---|---|
| 寄り付き(6月26日) | 約1,564.86ドル |
| 日中安値 | 約1,512.79ドル |
| 中間値(米東部時間8:15) | 約1,543.32ドル |
| 終値(6月26日) | 約1,564.84ドル / 約1,584ドル |
| 週間騰落率 | -9.63% 〜 -7.74% |
| 恐怖と欲望指数(Fear & Greed Index) | 13 — 「極度の恐怖」 |
| 前年同期比 | 約2,415ドルから約35%下落 |
テクニカル面でも、ETHは主要な日足移動平均線の全てを下回って推移しており、日足RSI(相対力指数)は29.47と売られすぎの水準を示しているものの、反転を示唆する強気のダイバージェンス(逆行現象)は確認されていません 。アナリストは「売り手が完全に主導権を握っており、下値のメドは立たない」と指摘しています
。
6月26日、最も衝撃的だったオンチェーン上の出来事は、8年間休眠状態だった4つのイーサリアムOG(オリジナル・ギャング:最も初期の投資家)ウォレットが突如として動き始めたことです 。オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Lookonchain」によると、これらのウォレットは約4時間の間に平均約1,560ドルで合計33,623ETHを売却。その価値は約5,250万ドル(約83億円)に上ります
。彼らは2018年に平均約830ドルでこれらのETHを取得しており、約2,740万ドルの利益を確定させた計算になりますが、その巨額かつ急速な売りさばきは市場にさらなる不安心理をもたらしました
。
この動きは決して孤立した事例ではありませんでした。同年6月初旬には、イーサリアム共同創業者のジョセフ・ルービン氏に関連する休眠ウォレットが、3年以上の休眠期間を経て80,001ETH(約1億2,160万ドル)を移動させています 。また別の約3年間休眠していたウォレットは1万ETH(約1,772万ドル)を売却
。さらに5月下旬には、11年前のICO(Initial Coin Offering、新規仮想通貨公開)時に作成されたプリマイン・ウォレットも再 activationされました
。これらの「最も古く、最も忍耐強い投資家」による売りは、市場に対して明確なシグナルを送りました。
オンチェーン上で最大級のポジションの一つが、BIT(仮想通貨取引所)に関連する大口投資家(クジラ)のものでした。このアドレスは4つのウォレットに分散して12万ETHを保有し、平均取得価格は約2,265ドル 。6月25日時点で、そのポジションは推定約7,700万ドルの含み損を抱えていました
。最も危険なのはその清算価格です。1,059〜1,175ドルに設定されており
、これはつまり、1,550ドルの水準からさらに約300ドル下落すれば、この全ポジションが強制決済(清算)されることを意味します。もしそうなれば、さらなる連鎖的な清算イベントに発展する可能性があると懸念されました。
その前日(6月25日)には、すでにそのような連鎖的な清算の前触れとも言える出来事が発生していました。Hyperliquidプラットフォーム上で、高レバレッジのETHロング(買い)ポジションを保有していた大口投資家が、何と4回連続で強制決済され、その総額は1,411万ドルに上りました 。6月初旬時点で、3つの主要なETHクジラは合わせて34万5,000ETH(約5億3,700万ドル相当)のポジションで清算リスクに直面していたと報告されています
。市場はまさに、強制売りの注文がいつ炸裂してもおかしくない「火薬庫」の状態だったのです。
6月25日に発表された米国のPCE(個人消費支出)コア価格指数——連邦準備制度理事会(FRB)が最も重視するインフレ指標——は、リスク資産全般にリスクオフ(投資家がリスクを回避する)のムードをもたらしました 。そして6月26日、ビットコインは6万ドルを割り込んで寄り付き、暗号資産市場全体を押し下げる要因となりました
。
この日、最も象徴的な出来事の一つは、テザー(USDT)の時価総額が一時的にイーサリアムのそれを上回ったことでしょう。USDTが1,860.6億ドルに対し、ETHは1,856.6億ドルと、その差はわずかでした 。しかしこれは、イーサリアムから安全資産とされるステーブルコインへと資金が逃避している状況を如実に示すものでした。
恐怖と欲望指数が示す13という数字は、パニックに近い弱気心理を反映しています 。ETHは最高値から60%以上下落し、2026年に入ってからはビットコインに対しても著しくパフォーマンスが劣後しています
。6月中旬の1,800ドル台からわずか2週間強で1,510ドル台まで、約16%も急落したことになります
。
結論から言えば、1,550ドル近辺でのETHの価格は、3つのクジラ・コホート全ての平均取得価格(コストベース)を単純に下回っているからです。CryptoQuantのDarkfost氏の報告によると、未実現利益率は1,000〜10,000ETHのグループで-0.26、10,000〜100,000ETHで-0.21、そして10万ETH超で-0.05となっています 。全3コホートが同時に含み損を抱えたのは、ETHが200ドルを下回っていた2019年以来のことです
。一部のアナリストは、この含み損の規模は過去の市場底値付近で見られた水準と同等だと指摘しています
。このパターンが繰り返され、本当の底を形成するのか、それともさらに悪化するのかは、この状況を作り出した6つの要因(クジラの損失、休眠ウォレットの売却、レバレッジポジションの清算、PCE統計に象徴されるマクロ環境、安定コインへの資金逃避、極度の恐怖感)が今後どのように解消されるか、あるいはさらに強まるかにかかっています。
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