暗号資産デリバティブ取引所デリビット(Deribit)では、ビットコインとイーサリアムを合わせた四半期オプションの満期を迎えた。その想定元本は合計で約106億3,000万ドル。うちイーサリアム分は約15億7,000万ドルにのぼる。
満期を迎える6月26日限月のイーサリアム・オプションは、デリビット上の全イーサリアム建玉の44.6% を占めていた。価格が低迷した状態での大量の期日到来は、マーケットメーカーによるデルタ・ヘッジを強要し、下落を増幅させる。建玉の手仕舞いやロールオーバーに伴う売り圧力がスポット市場の下落をさらに加速させた
。
米国のスポットイーサリアムETFは、6月上旬にかけて17営業日連続の資金流出という深刻な事態に見舞われた。この流出を主導したのが、世界最大の資産運用会社ブラックロックの「iシェアーズ・イーサリアム・トラストETF(ETHA)」である。
6月22日だけで純流出額は6,604万ドルに達し、そのうちETHAからの流出が6,638万ドルを占めた。6月4日にはETHAへの1,900万ドルの流入により連続流出記録が一旦ストップしたものの、すぐに流出が再開された
。
6月5日までに、この一連の流出による累計流出額は9億ドルを超えた。6月18日には、ETHAがその日の純流出額1,277万ドルの全額を占める事態となった
。伝統的な投資家によるイーサリアムへの需要が深刻なまでに低下していることを示している。
6月25日夜、イーサリアムは1,510ドルまで急落。1日で約15%の下落を記録した。サポートラインを次々と割り込んだことで、レバレッジをかけたロング(買い)ポジションのロスカットや追証が連鎖的に発生。取引所全体で売り圧力がさらに強まった
。
1,500ドルは、過去の弱気相場の底値でも経験した極めて重要な心理的かつテクニカルなサポートラインである。この水準を割り込むと、次の大台である1,000ドルまで、ほとんどサポートとなる価格帯は存在しないと分析されている
。
イーサリアムは2025年8月に4,953ドルの史上最高値を記録した。この高値から70%下落すると、理論上の価格は約1,486ドルとなり、現在の価格帯とほぼ一致する。年初に起きた17日間のETF流出期間中、イーサリアムはすでに1,550ドルまで下落しており、最高値から66%下落していた
。そこにマクロ経済と構造的な悪材料が6月下旬に加わり、さらなる下落の最終段階へと突入した。
より長期的な重しとしては、景気後退懸念、「ウォーシュFRB」によるタカ派的な政策運営の不確実性、そして年初に報じられたイーサリアム共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏による売却圧力などが挙げられる。イーサリアムの下落はビットコインよりも急激かつ深く、ETH/BTC比率は低迷を続けている
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