クアルコムの2026年度第4四半期決算は、スマートフォン以外の事業が育ちつつある一方、主力のスマホ向け半導体の不振と部材コスト上昇が、なお業績を左右していることを示しました。自動車向けやデータセンターの伸びは明るい材料ですが、足元では利益率への圧力が残ります。
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市場予想を超えた決算、利益見通しには慎重さ
9月27日に終了した四半期の売上高は103億2,000万ドルで、前年同期比約8%減でした。それでも市場予想の約101億4,000万ドルを上回り、調整後1株利益(EPS)も予想の2.16ドルに対して2.17ドルとなりました。
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売上高には複数の集計値があります。非GAAPベースの売上高は104億4,000万ドルで、前年同期比7.3%減。Zacksの市場予想101億5,000万ドルを上回りました。GAAPベースの103億2,000万ドルとは別の数値です。
12月期の会社見通しは、売上高104億~112億ドル、調整後EPS2.15~2.35ドル。売上高の中央値108億ドルは市場予想の104億8,000万ドルを上回る一方、EPSの中央値2.25ドルは予想の2.27ドルをやや下回ります。
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決算発表後、株価は時間外取引で6%超下落したと報じられました。四半期実績が予想を超えたことよりも、スマホ事業の落ち込みや先行きの利益率への懸念が意識された形です。
スマホ向けは減速、自動車とIoTは成長
最大の逆風はスマホ向け半導体です。同事業の売上高は51億4,000万ドルと前年同期比26%減少し、アップル向けモデム供給の縮小も重荷になっています。
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中国のAndroid関連売上には、改善の兆しもあります。経営陣によれば、6月期を底に9月期は前四半期比で回復しました。ただし、会社は2027年のスマートフォン市場全体を横ばいと見込んでおり、足元の回復が市場全体の持続的な反発を意味するわけではありません。
一方、自動車向け売上高は89%増の19億9,000万ドル。IoT(モノのインターネット)向けも約4%増の18億9,000万ドルでした。スマホ以外の事業が、すでに売上構成の変化を後押ししています。
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ライセンス事業の売上高は7.5%減の約13億ドルでしたが、クアルコムはアップル、ファーウェイ、Transsionとの長期ライセンス契約を更新しました。スマホ向けチップ販売が減るなかでも、特許ライセンス収入を支える契約更新です。
データセンターを次の柱にできるか
データセンター事業では、9月期に約6億5,000万ドルの売上があり、その多くはカスタマイズや接続関連の業務だったと説明されています。12月期の売上高は6億5,000万ドルを超える見通しです。
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クアルコムは2027年度のデータセンター売上高50億ドルという目標を維持し、年度末には年換算70億ドルの売上ペースを目指します。会社側は、非スマホ事業の売上が2027年度に前年比60%超伸びるとの見通しも示しています。いずれも達成済みの実績ではなく、会社の予測です。
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アマゾンとの協業は、AIデータセンター市場への足がかりとなります。両社は複数世代の製品にまたがる協業を発表し、AI推論向けのカスタム半導体や光通信技術にも取り組むとしています。アマゾンが長期の枠組みのもとで関連製品を最大600億ドル分購入できる可能性も報じられていますが、これは確定売上高ではありません。
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クアルコムは、別の光接続顧客も獲得したと説明しましたが、顧客名は公表されていません。また、アマゾンを含む複数の大手クラウド事業者との関係づくりを進めています。
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CEOのクリスティアーノ・アモン氏は、50億ドル目標を超える成長の制約は需要よりも供給側にあるとの見方を示しています。受注の手応えがある一方、実際にどこまで売上に結びつけられるかは、生産・供給能力にも左右されそうです。
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コスト上昇の吸収はこれから
ウェハー製造、組み立て、検査、先端パッケージング、メモリーなど、半導体製造に関わるコストが上昇しています。AIサーバー需要によるメモリー価格の上昇も、スマートフォン向け製品の採算を圧迫する要因です。
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クアルコムはコスト増に対応するため製品価格の引き上げを進めていますが、その効果が業績に十分反映されるのは2027年度後半になる見通しです。つまり、売上高の伸びが先行しても、利益率の改善には時間がかかる可能性があります。
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今回の決算から見えるのは、スマホ以外への事業転換が具体的な数字になり始めた一方、スマホ市場の弱さとコスト高をすぐに補える段階にはまだないということです。車載やデータセンターの拡大が、利益面でも主力事業の落ち込みを埋められるかが、今後の焦点です。
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