プーマの2026年7〜9月期は、市場予想を上回る売上高と大幅な在庫削減が評価された一方、前年割れと営業赤字が続いた四半期でした。値引きや取引先構成の見直し、需要の弱さが売上を押し下げましたが、粗利益率とキャッシュフローには改善が見られます。
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売上高は予想超え、前年同期比では減少
10月30日に発表した売上高は17億7,620万ユーロ。前年同期の18億7,010万ユーロから、報告ベースで5.0%減、為替変動の影響を除いたベースでは6.3%減でした。為替の影響が、調整後の減少率を約1.3ポイント和らげた計算です。市場予想の平均約17億5,000万ユーロは上回りましたが、経営陣は四半期の実績を自社の想定どおりと説明しています。
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地域別では、アジア太平洋地域が為替調整後で10%増の3億9,460万ユーロと伸長。欧州・中東・アフリカ(EMEA)と北米では、事業の立て直し策と需要の弱さが重しになりました。
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商品別では、フットウェアが為替調整後で5.1%減の10億1,090万ユーロ、アパレルが9.4%減の5億5,710万ユーロ。アクセサリーも3.2%減でした。プーマはランニングやトレーニングが支えになったとしていますが、主要商品群を含め、全体として販売の回復には至っていません。
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アジアでは、薄底スニーカーへの需要が続き、Speedcat(スピードキャット)が特に人気を集めました。ただし、同商品の伸び率や売上への寄与額は示されていません。
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粗利益率と現金収支は改善、営業損益は赤字
粗利益率は49.5%と、前年同期から約4.2ポイント上昇しました。調達価格の低下に加え、関税還付の効果、販売チャネルの構成、為替が寄与したと会社は説明しています。
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一方、営業損益(EBIT)は1,140万ユーロの赤字で、前年同期の1,620万ユーロの黒字から悪化。市場予想の約1,000万ユーロの赤字よりもわずかに大きな損失でした。今回のEBITには、米国関税の還付効果2,980万ユーロと、コスト効率化に伴う一時費用1,170万ユーロが含まれています。関税還付があっても、営業黒字には届きませんでした。
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棚卸資産は前年同期比24.3%減の16億890万ユーロ。仕入れを抑えたことが主な要因で、会社は年末までの正常化を見込んでいます。フリーキャッシュフローは9,200万ユーロのプラスとなり、前年同期の4,300万ユーロのマイナスから改善しました。運転資本の改善、税支払いと設備投資の減少が下支えしました。
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立て直し策が短期売上を抑える一方、株価は上昇
アーサー・ヘルトCEOが進める立て直しでは、在庫を整理し、大量販売店での過度な値引きを抑えることが柱です。ブランドの位置づけや販売の質を立て直す狙いがある一方、こうした見直しは短期的には売上を押し下げます。北米や欧州の需要の弱さも重なりました。
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決算発表後、プーマ株は約7%上昇したと報じられました。市場では、営業赤字よりも、売上高が予想を上回ったことや在庫削減の進展に注目が集まったようです。
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通期見通し:損失レンジを絞るも、売上減少を予想
プーマは2026年通期のEBIT見通しを、8,000万〜1億3,000万ユーロの営業損失に更新しました。従来の5,000万〜1億5,000万ユーロの赤字予想からレンジを狭めたものの、予想レンジの中間値はやや悪化しています。
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為替調整後の通期売上高は、1桁台前半〜半ばの減少を見込む従来予想を維持。設備投資計画は1億5,000万ユーロ未満に抑える方針です。
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ANTAとの協議は中国事業の転換につながるか
ANTA Sportsは10月にプーマの最大株主となりました。ヘルトCEOはANTAと将来の事業モデルを共同で検討すると述べていますが、経営上の決定権は引き続きプーマの取締役会にあると報じられています。中国では、ANTAが自社ブランドを直営店やオンラインで販売しており、プーマも同市場の事業モデルを見直す可能性について協議中です。
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決算説明会の情報によると、ANTAの出資計画を受けて中国の卸売パートナーが慎重になり、卸売が弱含む一方、中国での売上高は前年同期比3.5%増でした。ANTAとの連携が、プーマの中国事業をより消費者に直接販売する形へ導く可能性はありますが、具体的な運営体制が確定したわけではありません。
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今回参照できる資料だけでは、出資額や売却側など取引の詳細を十分に確認できません。また、ANTAとの協業がアディダスやナイキとの競争にどう影響するかも、現時点では判断できません。プーマの広い意味での課題は、ブランドの魅力を立て直し、より大きな競合に対抗することです。
2027年の成長回復はまだ目標段階
会社は2027年に段階的な成長回復を見込むとしていますが、売上高や利益の数値目標は示していません。在庫の正常化が進んでも、それだけで翌年の業績回復が約束されるわけではありません。
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アナリストの見方については、決算前の10月6日にJefferiesが目標株価を27.50ユーロから23.50ユーロに引き下げ、投資判断「Hold」を維持したことが確認できます。これは決算発表後の評価ではありません。
一方、Deutsche Bankは決算後、プーマの立て直しは軌道に乗っているとの見方を示したと報じられています。ただし、在庫正常化や2027年以降の目標について、同行がどのような具体的評価を示したかは、ここで確認できる情報からは分かりません。UBSについても、今回の決算後の見通しを裏づける十分な情報はありません。
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総じて、プーマは在庫、粗利益率、キャッシュフローの改善を示しましたが、売上高は減少し、営業赤字も続いています。決算は立て直しの進展を示す材料にはなったものの、2027年以降の成長を判断するには、需要や卸売の回復、そして中国での事業モデルの具体化を見極める必要があります。
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