ロシア産ディーゼルの輸出が、米露合意後に従来の主要市場へ戻り始めた。モスクワが輸出規制を一部緩和し、米国もロシア産ディーゼルを扱う一部取引を認める一時的なライセンスを発行したためだ。初期の船舶データでは、タンカーがトルコとブラジルを目的地として示している。ただし、航行先の表示は、貨物の到着や荷揚げを確認するものではない。
17
18
合意後に何が変わったのか
ロシアは、燃料生産者によるディーゼル輸出の禁止措置を10月末まで延長していた。
19 その後、10月9日の合意を受けて規制を一部緩和し、10月10日から輸出を再開。クレムリンは、ロシア産ディーゼルが世界市場に届き始めたと説明した。
18
米財務省の一時ライセンスは、ロシア産ディーゼルの販売、輸送、荷下ろし、輸入に関わる取引を認めるもので、米国への輸入も対象に含む。ライセンスの有効期限は2027年4月7日と報じられている。 米国の制裁緩和とロシア側の輸出規制の一部解除が重なり、従来の買い手に向かう輸送ルートが再び動き始めた。
17
プリモルスクを出た2隻のタンカー
船舶データによると、ロシアのバルト海沿岸にあるプリモルスク港から、ロシア産ディーゼルを積んだ2隻が出航した。
- Dolunayは10月14日に出港し、トルコのアランヤを目的地として示した。
- Leruoは10月16日に出港し、ブラジルのマナウスを目的地として示した。
- それぞれの積載量は約30万バレルと報じられている。
この船ごとの積載量は、トランプ氏が発表した供給計画の「トン」とは別の数字だ。また、目的地が示されていることだけでは、タンカーが港に到着した、あるいは貨物を荷下ろししたとは確認できない。
発表された供給量と確認済みの輸送量
トランプ氏は、ロシアがディーゼル30万トン超を直ちに供給し、11月に50万トン、その後さらに100万トンを供給すると発表した。製油所の状態を条件に、さらに300万トンを追加するとも述べた。 これらは発表された供給計画であり、今回の船舶報道が確認しているのは輸出積み込みの再開と予定航路だ。発表分すべての納入が確認されたわけではない。
18
合意はディーゼル供給を増やし、高騰する価格を抑える狙いがあると説明された。一方、エネルギー政策の専門家は、ロシア産の追加供給が米国の燃料価格に与える影響は限られる可能性が高いと指摘している。
4 現時点で確認できるのは、合意をきっかけにロシアの輸出が一部再開したことだ。発表された供給量の全てが実際に届いたことや、価格を大きく押し下げたことまでは、報道からは確認できない。
輸出再開は一部にとどまる
ロイターは、ウクライナの無人機攻撃による製油所の被害と国内の燃料不足を背景に、ロシアが輸出制限を導入したと報じている。同じ報道によると、制裁措置の変更とロシアによる規制の一部解除を経て、輸出は従来の仕向け先に戻り始めた。
17
つまり、輸出再開はロシア産ディーゼルの全量が米国へ向かうことを意味しない。初期のタンカー情報が示す行き先は、ロシア産ディーゼルの従来の買い手であるトルコとブラジルだ。
17