2026年10月18日、米NBCの報道番組「ミート・ザ・プレス」に出演したウクライナのゼレンスキー大統領と、ベッセント米財務長官は、米国の対ウクライナ支援をめぐって見解の違いを示した。焦点の一つは、ウクライナ軍が使う衛星通信サービス「スターシールド」の制限だ。ゼレンスキー氏は米政府の働きかけがあったとの見方を示し、ベッセント氏はその主張を「非常に無責任」と批判した。
6
スターシールドの速度制限、責任の所在は不明
ゼレンスキー氏は、ウクライナ軍の通信サービスが通常の状態には戻っていないと述べ、移動時の速度上限を時速161キロ(約100マイル)と説明した。スターシールドは、民間向けスターリンクと同じ衛星通信網を基盤とする、米政府管理の軍・政府向けサービスだ。
3
8
ベッセント氏はゼレンスキー氏の見方を否定。トランプ大統領とルビオ国務長官が、政権内の誰かが制限を命じたという話を全面的に否定していると述べ、ゼレンスキー氏に「慎重になるべきだ」と警告した。
6
7
一方、ロイターは米政府当局者2人と西側当局者1人の話として、制限の指示はホワイトハウス内から出され、国防総省の幹部に伝えられたと報じている。ただし、誰が決定したのか、誰が実施を担当したのかは、情報源の証言からは特定できない。
責任の所在をめぐっては、イーロン・マスク氏が、政府管理のスターシールドに対する制限は米軍が決め、最終的には大統領が判断すると述べた一方、トランプ氏は自分もマスク氏も責任者ではないと思うと発言した。両者の説明は食い違っており、指示の経路が確定したわけではない。
速度制限について、ゼレンスキー氏はロシアの無人機への迎撃システム運用に支障が出ていると述べた。報道でも、制限された速度で迎撃システムを使う難しさが伝えられている。ただし、ジェット推進式のシャヘド型無人機を追跡する迎撃機にどのような具体的影響が出たかは、提供された資料からは確認できない。
8
米情報の共有は約3日間停止、その後再開
ゼレンスキー氏は、ロシアによる弾道ミサイル発射を警告するために使われる米国の情報が、約3日間ウクライナに届かなかったと述べた。その後、共有は再開し、現在は機能しているとして米国に謝意を示した。
21
この中断について問われたベッセント氏は、事実と異なる発言をしないようゼレンスキー氏に注意を促したが、停止の経緯について具体的な説明はしなかった。
19
「同盟国か」には明言せず
番組司会者から、米国はウクライナを同盟国とみなしているのかと3度問われたベッセント氏は、明確な「はい」「いいえ」を示さなかった。米国はウクライナを支援しており、「同盟国にすることだ」と説明する一方、ロシアには同様の支援をしていないと述べた。
11
ベッセント氏はまた、「ウクライナは勝たなければならないのか」という問いの立て方を「誤った二分法」と呼び、対ロシア政策とウクライナ支援をめぐる政権の立場を擁護した。
1
ゼレンスキー氏は、米国がロシア側につけばウクライナは「勝ち残れない」と述べ、トランプ氏が今後もウクライナの味方であり続けることへの期待も示した。
13
ロシア産ディーゼルと制裁をめぐる論争
両者はロシアのエネルギー取引や制裁についても意見を交わした。ベッセント氏は状況を検討するための60日間の期間が設けられており、解除されたのはディーゼル燃料の禁輸措置だけだと説明した。
1
これに対しゼレンスキー氏は、ディーゼルをめぐる取り決めを「非常に危険」と表現し、米国内の価格に実質的な影響を与えるものではないとの見方を示した。
8共和党のトム・ティリス上院議員も別の番組インタビューで、トランプ氏の対ロシア合意は違法となる可能性があり、米国民の命を危険にさらすと批判した。
ゼレンスキー氏は、米国がプーチン大統領を支持することになれば「歴史的な過ち」になるとも警告した。
13
今回のインタビューでは、ベッセント氏が米国の支援を強調しつつ、スターシールド制限をめぐるゼレンスキー氏の主張を退けた一方、ロイターは指示の発信元がホワイトハウス内だったと報じた。誰が決定し、誰が実施したのかは、なお明らかになっていない。
1