ロシア軍が秋以降に大きく前進したとするモスクワの説明に、ウクライナと米シンクタンクの戦争研究所(ISW)が異議を唱えている。ロシア軍参謀総長のワレリー・ゲラシモフ氏は、9月1日以降に1,800平方キロ超と92集落を制圧したと主張した。一方、ウクライナ側はこれを否定。ISWの領土評価も、同期間にロシアが大きく領土を増やしたという説明とは一致しない。
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ウクライナ側は「秋に奪還した領土の方が多い」と反論
ウクライナ軍参謀本部の報道官アンドリー・コヴァリョウ氏は、ゲラシモフ氏の数字は事実ではないと反論し、秋の作戦ではロシア軍が占領した面積より、ウクライナ軍が奪還した面積の方が大きいと述べた。
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ウクライナ側は、ロシアが制圧したとする東部ドネツク州のドブロピリャについても、ウクライナ軍の支配下にあると説明した。別の報道では、コスチャンティニウカ、オリヒウ、ベリコミハイリウカもウクライナ側の支配下にあり、ザポリージャ市周辺の前線に大きな変化はないとするウクライナ側の説明が伝えられている。
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また、ロシア軍がクラマトルスク方面やザポリージャ方面へ進んでいるとの主張も、ウクライナ側は否定した。ザポリージャ市の南郊まで5キロに迫ったという主張に対し、ウクライナ軍参謀本部は、前線は市中心部から約22キロの位置にあると述べている。いずれも当事者による発表であり、ここに挙げた資料だけで個々の地点の実際の支配状況が独立に確認されたわけではない。
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ISWの推計は、ロシア側の数字と大きく異なる
プーチン大統領は年初から約6,500平方キロと310集落を獲得したと主張した。これに対し、ISWの推計として報じられた2026年1~9月のロシア軍の領土純増は144.51平方キロで、プーチン氏の主張を大きく下回る。
さらに、ISWは9月1日以降について、ロシア軍が領土を約122平方キロ純損失したと評価している。これは、ゲラシモフ氏が同期間の獲得として挙げた1,800平方キロ超とは正反対の見立てだ。
なお、ISWの10月16日付評価を紹介する別の資料には、年初からのロシア軍の獲得を約100平方キロ、69集落とする数字もある。144.51平方キロという1~9月の推計とは対象期間や評価時点が異なるため、同じ計算として単純に合算したり、置き換えたりすることはできない。
数字を読む際の注意点
確認できるのは、ウクライナ側がロシアの秋の大規模な前進という説明を否定し、ISWの領土評価も9月以降の大幅な純増を示していない、という点だ。一方、戦況評価はどの日付を基準にするか、どの期間を集計するかで数字が変わり得る。ここで示した推計だけでは、ロシア側が名前を挙げたすべての集落の支配状況までは確定できない。主張と分析は、それぞれ発表した当事者や機関に帰属させて読む必要がある。
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