2026年1〜8月にEUで登録された新車のバッテリー式電気自動車(BEV)は1,641,333台で、前年同期から約45%増えました。新車市場に占める割合も15.8%から21.7%へ、5.9ポイント上昇しています。同じ期間の新車市場全体の伸びは5.3%でした。なお、ここでいう数字はEU域内のもので、英国などを含む欧州全体の集計とは異なります。
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電気自動車は新車市場でどこまで広がった?
登録台数が増えただけでなく、市場全体に占める割合も拡大しました。1〜8月のEUでは、バッテリー式電気自動車のシェア21.7%はガソリン車と同水準です。一方、ハイブリッド車は36.6%を占め、動力別では引き続き最大のカテゴリーでした。
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伸び方には国ごとの差があります。前年同期比でフランスのBEV登録は74.2%、ドイツは53.1%増加。デンマークも40.9%増となり、ACEA(欧州自動車工業会)が挙げる主要市場の成長を支えました。
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伸びを支えたと考えられる要因
手頃なモデルが選択肢を広げる
価格を抑えた車種を含め、購入を検討できる電気自動車の選択肢が増えています。Transport & Environment(T&E)の報告書は、EUの排出目標に対応する自動車メーカーが、より手頃なモデルを投入していると指摘。ロイターは同報告書が2026年を、手頃なEVの選択肢が広がるうえで重要な年と位置づけたと報じています。
ただし、車種の拡充だけで登録増を説明できるわけではありません。公表された登録台数からは、価格の変化や車種の増加が伸びにどれだけ寄与したかを切り分けられません。
EUのCO₂規制はメーカーの販売判断に影響
EUの自動車メーカー向けCO₂排出基準は、新車の車種構成にも関わります。BEVの販売を増やすことは、メーカーが新車全体の平均排出量を下げる手段の一つです。T&Eは、2025〜2027年の目標がメーカーに手頃なモデルの投入を促したと評価しています。これは同団体による政策効果の見立てであり、登録増の要因別内訳を示すものではありません。
燃料価格の上昇も後押しになった可能性
ロイターは2026年の欧州で、原油価格の上昇、補助金、手頃な車種の拡大が電気自動車の普及を後押ししたと報じました。また、第1四半期の登録動向について、ガソリン価格の上昇を受けて内燃機関車以外の選択肢を求める動きがあったと伝えています。
燃料費が購入判断に影響した可能性はありますが、それがEUの1〜8月の登録増にどれほど貢献したかは、これらの報道からは分かりません。
2030年・2035年の目標をめぐる議論
今後の政策の方向性は定まっていません。T&Eは、2030年の自動車CO₂目標を維持すれば電気自動車への投資が続き、2030年までに複数の車格でBEVと内燃機関車の価格が同水準になる可能性があるとしています。目標が弱まればメーカーが利益率を優先し、価格が並ぶ時期が遅れる可能性があるとも指摘しています。いずれも同団体の予測であり、確定した結果ではありません。
また、欧州委員会は2035年の自動車CO₂基準の見直しを提案しています。欧州議会の調査資料はこの提案を説明し、T&Eは基準変更が将来の電気自動車の普及に影響すると見ています。ただし、その影響の大きさは不確かで、メーカーがどの動力方式を選ぶかなどにも左右されます。
政策はメーカーがどの車種を開発・販売するかに影響し、購入価格や維持費は消費者の判断に関わります。ただし、2026年の登録実績だけでは、別の規制の下で販売がどうなったかまでは分かりません。
まとめ
2026年1〜8月、EUのBEV登録は市場全体の成長を大きく上回るペースで増え、シェアは21.7%に達しました。手頃な車種の拡大、CO₂規制、燃料価格はいずれも背景として考えられますが、各要因がどれだけ伸びに寄与したかを示すデータはありません。今後の普及は、EUの規制がどう変わるかに加え、購入しやすいモデルが増え続けるかにも左右されそうです。
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