AI向けデータセンターや半導体への巨額投資が続くなか、シンガポールの投資会社テマセクは、超大規模クラウド事業者(ハイパースケーラー)の支出を理由に投資姿勢を弱める考えは示していません。
テマセクの北米責任者ジェーン・アサートン氏によると、インフラ投資を担う企業は世界でも有数の強固な財務基盤を持ち、AIの利用が広がれば、リスクに見合ったリターンを得られると考えています。これは投資企業側の見通しとテマセクの判断であり、個々のデータセンターや半導体投資が利益を生むと確定したわけではありません。
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2027年までに1兆ドル超との予測も
市場では、ハイパースケーラーの設備投資が2027年までに1兆ドルを超えるとの予測があります。支出の中心は、膨大な計算需要に対応するための半導体とデータセンターです。一方、債券市場の変動や金融引き締めへの警戒を背景に、こうした巨額支出を持続できるのかという疑問も出ています。
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テマセクが重視するのは、投資を進める企業の財務力と、AIの普及によって投資に見合う収益が期待できるという企業側の見立てです。ただし、それだけで需要が予測どおりに伸びることや、設備が効率よく使われること、すべての事業者が成功することまで示されるわけではありません。大きな投資機会への期待と、個別案件の成果は分けて考える必要があります。
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AIモデルだけに賭けない投資計画
テマセクは、ポートフォリオに占めるAI関連投資の比率を、現在の約6%から2031年までに最大15%へ引き上げる目標を掲げています。保有先にはAnthropicやOpenAIも含まれます。
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投資対象はAIのバリューチェーン全体に及びます。具体的には、エネルギー・データセンター、半導体、クラウドサービス、基盤モデル、AIアプリケーションとソフトウェア基盤の5分野です。
8 AIモデルの開発企業に限らず、モデルを動かし、サービスとして届けるためのインフラやソフトウェアにも資金を振り向ける構えです。
米国を最大市場に、流動性も確保
テマセクは、金融市場の厚みと投資機会の幅広さを理由に、米国を最大の市場と説明しています。ただし、米国が最大市場であることだけから、AI戦略のすべてが米国に集中しているとは言えません。
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また、同社は市場の変動に備え、ポートフォリオの約25%を流動性の高い資産で保有し、状況に応じて資金を振り向けられるようにする方針です。これはテマセクの資金運用の柔軟性を示すものですが、AIインフラ投資そのもののリスクをなくすわけではありません。
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AI安全性に関する立場は確認できず
今回の報道資料からは、テマセクがAI投資に前向きな理由や、投資比率の目標、重点分野は確認できます。一方、AIの安全性について同社がどのような具体的な方針や評価基準を持つかは明らかになっていません。バリューチェーン全体への投資計画を、特定の安全性ポリシーの表明と受け取ることはできません。