元米政府関係者らは、中国向けの液浸深紫外線(DUV)露光装置について、販売だけでなく、すでに稼働している装置の保守も全面的に禁じるよう求めています。新規輸出を制限するだけでは、中国の半導体工場がすでに持つ装置を使い続けられるため、規制の抜け穴が残るというのが主な理由です。
この議論の根拠の一つが、中国資本の半導体工場が2026年初めまでに液浸DUV装置を推計343台取得したという数字です。総額は数十億ドルに上るとされます。ただし、これは研究者らによる推計であり、公に検証された保有台数ではありません。
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EUVがなくても、DUVで先端半導体を作れる
最先端の半導体製造に使われる極端紫外線(EUV)露光装置は、中国には供給されていません。しかし、EUVを使えないからといって、中国で一定水準の先端半導体を製造できないわけではありません。DUV装置で同じ回路パターンを複数回に分けて形成する「マルチパターニング」を使えば、7ナノメートル級のロジック半導体を作ることができます。技術に関する報告書は、中国メーカーがEUVを使わずにこの世代の半導体を製造した事例を挙げています。
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元米政府関係者らが懸念するのは、液浸DUV装置の保有台数が多ければ、AI関連を含む高度な半導体の生産を支え得るという点です。既存装置が稼働し続けるなら、新規販売だけを止めても、短期間で生産を抑える効果は限られるかもしれません。そのため、保有台数の推計は規制強化を求める議論の重要な根拠になっています。
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販売規制に加えて、稼働中の装置の保守も対象に
オランダは、特定の高性能な露光装置について輸出許可を義務づけています。元米政府関係者らが求める案はそれより広く、中国向けの液浸DUV装置の販売を制限し、すでに工場で使われている装置の保守も止めることを想定しています。個別に指定された企業への出荷を止めるだけでなく、対象を中国全体に広げる構想です。
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保守が焦点となるのは、販売停止だけでは、導入済みの装置を支える仕組みまでは遮断できないためです。中国の大手メモリー半導体メーカー2社については、保有装置が計画中の生産能力拡大を3年分支えられるとの報道があります。ただし、これはその2社の拡張計画に関する内容であり、中国のすべての工場が新しい装置や保守なしで何年稼働できるかを示すものではありません。
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MATCH法案は成立済みの全面禁止ではない
MATCH法案は、米国の輸出規制を拡大し、オランダや日本など同盟国のルールとの足並みをそろえることを目指す、別の立法案です。ロイターが確認した縮小版の案にも、ASMLの液浸DUV装置を中国全土で規制する内容が含まれていました。ただし、法案は提案段階であり、成立した全面禁止ではありません。
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同盟国が規制をそろえない場合、米国が米国由来の技術を含む製品にも輸出管理を及ぼす仕組みを拡大するなど、独自の執行手段を検討する可能性があると報じられています。
9 ただし、これは提案されている手段の一つです。オランダの協力なしに、米国がオランダ企業への包括的な保守禁止を自動的に課せると確定しているわけではありません。
ASMLの売上と中国の国産化が示す不確実性
規制が実施されれば、ASMLの中国事業にも影響する可能性があります。一方、現時点で公表されている売上比率だけから、保守規制が同社の業績や中国の半導体生産に与える影響までは分かりません。報道によると、中国はASMLのシステム売上高に占める割合が2026年第1四半期に19%、第2四半期には14%でした。
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中国は液浸リソグラフィ装置の国産化も進めています。報道では進展が伝えられる一方、国産装置がどの程度の速さで実用化され、輸入装置と競争できる性能に達するかは、まだ不透明です。
18 国産化が進めば、将来的に輸出規制の効果を弱める可能性があります。他方、短期的には輸入装置やその保守へのアクセスを制限することで、影響が生じる余地もあります。
提案の論拠は明快です。保有台数の推計が実態に近く、保守が装置の稼働を支えているなら、新規販売だけを止めても相当数の装置が使われ続ける可能性があります。ただし、343台は確認済みの台数ではなく、MATCH法案も成立していません。中国の国産化やASMLの売上比率だけでは、全面禁止が中国の半導体生産能力をどれほどの速さで変えるのかは判断できません。