シノプシス株は10月1日、前日の投資家向け説明会で発表された2027年度の業績見通しやOpenAI、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)との契約を受け、約10%上昇しました。売上高と調整後利益の予想がアナリスト予想を上回ったうえ、2030年度に向けた成長目標も示され、AI向け半導体設計の需要をどのように事業成長につなげるのか、投資家に具体像を示した形です。
8
16
2027年度の売上高・利益見通しが市場予想を上回る
シノプシスが示した2027年度の売上高見通しは111億〜112億ドルで、中央値は111億5000万ドルです。これはアナリストの平均予想である108億1000万ドルを上回ります。非GAAPベースの1株当たり利益(EPS)も19.04〜19.12ドルとし、市場予想の17.81ドルを超えました。
8
売上高見通しの中央値は、前年比で約15%の成長に相当します。また、2027年度の非GAAP営業利益率は約44%を目標に掲げています。
5
7
2030年度に向け、売上高成長率と利益率の目標を提示
経営陣は、2026年度から2030年度までの売上高について、年平均で10%台半ばの成長を目指すと説明しました。非GAAP営業利益率は、2027年度の約44%から、2030年度には約50%に近づける計画です。
5
7
長期目標には、EPSの大幅な伸びも含まれています。投資家向け説明会を伝えた報道では、2026〜2030年度のEPS年平均成長率は20%台前半から半ば程度とされています。報道によって算出値には幅があります。
12
15
約10億ドルの自社株買いも計画
同社は、約10億ドル相当の自社株買いを計画しています。これは新たな業績目標とあわせて発表されましたが、売上高や営業利益率の目標とは別の施策です。
8
OpenAIとは設計向けAI、AWSとはIPライセンスで協業
OpenAIとの複数年の提携では、半導体設計に特化したAIモデル「GPT-Synopsys」の開発を目指します。OpenAIのAIと、シノプシスが持つ設計ツールや半導体設計の知見を組み合わせる計画です。
16
別途、AWSはシノプシスのチップ設計用知的財産(IP)をライセンスする複数年契約を結びました。ロイターは、契約額が10億ドルを超えると報じています。これらの契約は、AIやカスタム半導体の設計分野で同社が事業機会を広げようとしていることを示す具体例となりました。
17
株価上昇の背景と、目標達成に残る不確実性
今回の株価上昇の背景には、市場予想を上回る業績見通し、2030年度に向けた高い成長目標、そしてOpenAI・AWSとの新たな契約が重なりました。アナリストの反応も前向きで、ローゼンブラットはシノプシスの目標株価を575ドルから620ドルへ引き上げ、投資判断「買い」を維持しました。
8
ただし、長期の数値は会社側が掲げた目標であり、達成が確約されているわけではありません。株価の上昇は、投資家が今後の成長に期待を寄せたことを示す一方、目標の実現には今後の業績が問われます。