ASMLのクリストフ・フーケCEOが警鐘を鳴らすのは、輸出規制が長期的に招くかもしれない副作用だ。規制によって中国が海外製の半導体製造装置を入手しにくくなれば、国内で代替品を開発する動機が強まる可能性がある。規制は安全保障上の目的に沿って設計すべきだという戦略的な主張であり、中国がASMLの最先端技術に迫っているという意味ではない。
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規制の拡大が逆効果になりうる理由
中国はASMLの極端紫外線(EUV)露光装置を購入できない一方、用途が認められた、より旧世代の深紫外線(DUV)装置は購入してきた。
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17 報道によると、フーケCEOが懸念するのは規制の範囲が広がりすぎた場合、国内装置の開発や採用が中国企業や政策担当者にとって、より魅力的になることだ。海外製品へのアクセスを制限する措置が、将来の競争相手を育てる結果につながる可能性がある。
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ただし、これは中国製装置がすぐにASML製品を置き換えるという話ではない。露光装置の開発は難しく、国産装置が実際の性能と量産時の安定性を示す必要がある。懸念されているのは、継続的な投資と運用経験の積み重ねによって、特定の市場で海外メーカーへの依存が徐々に小さくなることだ。
EUVで唯一の商用供給企業、ASML
EUV露光は、最先端半導体に必要な微細な回路パターンをシリコンウエハー上に形成する技術だ。ASMLはEUV露光装置の商用供給を独占しており、AI向けを含む先端半導体の生産を支える重要な存在となっている。
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ただし、ASMLが唯一の供給企業であることは、需要が増えればすぐに出荷を増やせるという意味ではない。半導体製造装置の需要が高まるなか、同社は供給網の制約にも直面している。ロイターによると、ASMLは2026年に低NAのEUV装置を60台出荷する計画で、2027年には80台を出荷できる能力を見込んでいる。別の報道では、同社の生産能力は2027年末まで予約で埋まる可能性があるとされた。
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17 こうした数字は、先端半導体の需要が増えても、露光装置の供給がすぐに追いつくとは限らないことを示している。
中国のDUV開発が示すこと
中国では、Huawei(ファーウェイ)も関わる形で、先端DUV露光装置の開発が進められていると報じられている。装置は試験中で、2026年末までに12台を目指すとの報道もある。 これは中国が国内の装置産業を育てようとしている可能性を示すが、生産目標や試作機だけで、信頼性の高い量産が実現したとは判断できない。
DUVとEUVは別の技術だ。国産DUV装置の開発が進んでも、中国がASMLのEUV装置を置き換えられることを意味しない。中国の別のEUV試作機に関するロイター報道でも、装置は試験中で、稼働するチップはまだ製造していないとされた。
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中国製のDUV装置が将来、量産規模で信頼性と競争力を備えれば、中国市場におけるASMLのDUV事業に圧力をかけ、現地メーカーの経験を積ませる可能性がある。一方、現時点でのより確かな見方は、中国が代替手段を模索しているものの、ASMLのEUVにおける優位を覆したと示す情報はない、ということだ。
見るべきは「今」よりも時間軸
フーケCEOの警告の焦点は、規制が生む動機と、その影響が表れるまでの時間にある。規制を広げすぎれば、中国が国産装置への投資を強める可能性がある。その一方、EUVの商用供給を担う企業がASMLだけであり、生産にも制約がある現状では、同社は今なお最先端半導体の製造に欠かせない。
中国のDUV開発は、将来的な競争の芽として注視する価値がある。ただし、それはEUVの代替が目前に迫っている証拠ではない。