ブラックロックが2026年6月に「中立」へ引き下げた新興国株の見方を、9月中旬に再び「オーバーウエート(市場平均を上回る配分)」へ戻したのは、新興国を単なる景気循環や内需の投資対象ではなく、世界的なAI投資を支える不可欠な供給網と捉え直したためです。堅調な企業利益、米国株に比べてなお相対的に低いバリュエーション、そして韓国株でのレバレッジ低下が、6月時点より投資妙味を高めたと同社はみています。
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AI設備投資は新興国のどこに波及するのか
大手クラウド事業者、いわゆるハイパースケーラーがAI向けハードウエアへの投資を増やせば、高性能半導体やメモリーの需要が高まります。その供給網の中核に位置するのが韓国と台湾です。
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一方、データセンターの建設・稼働には、チップだけでなく、大量の電力、原材料、物流や関連インフラが必要になります。ブラックロックは、ラテンアメリカ市場について、AI基盤整備に必要となるコモディティ、エネルギー、物理インフラへのエクスポージャーを提供すると指摘しています。
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ブラックロックのエゴン・バブレク氏は、こうした企業をAIの「ピックス・アンド・ショベル(つるはしとシャベル)」と表現しています。特定のAIアプリやサービスの勝者を予想する投資というより、AI競争の進展そのものによって必要性が高まるハードウエアや、供給が限られる投入資源の提供者に注目する考え方です。
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国内景気だけでは決まらない収益源へ
半導体、メモリー、電力、設備、資源を世界の顧客に提供する企業では、収益が現地の内需だけではなく、国際的なAI向け設備投資サイクルに左右される可能性があります。取引がドル建てとなるケースもあり、企業収益の源泉を分散させる効果も期待されます。
ただし、これは新興国特有のリスクが消えるという意味ではありません。地政学リスク、輸出規制、各国の政策変更、現地通貨の変動、資源価格の下落といった要因は、引き続き株価や業績に影響し得ます。AI投資はこうしたリスクをなくすものではなく、企業の成長ドライバーを国内要因以外にも広げる可能性がある、という位置付けです。
6月はなぜ「中立」だったのか
ブラックロックは6月、韓国と台湾の比重によって、新興国株がAI・半導体という一つのテーマに集中していることを懸念しました。特に韓国株ではレバレッジを使ったポジションの積み上がりも、リスク・リワードを悪化させる要因とみていました。
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その後、7月の急落を経て、7~8月には韓国株でレバレッジ解消が進行。混み合ったレバレッジ取引に伴う脆弱性が和らいだことで、同社はオーバーウエートへ戻すだけのリスク・リワード改善があったと判断しました。
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金利高でも、なぜ成長を支え得るのか
AI投資は資本、電力、半導体、データセンター容量など、限られた資源を奪い合う面があります。そのため、コスト上昇や金利の上振れにつながる可能性があります。
もっともブラックロックは、その投資が生産能力の拡大と需要増を伴うなら、売上・利益の伸びが資金調達コストの上昇を相殺し得るとみています。だからこそ、AI関連銘柄を一括りに買うのではなく、チップ、電力、データセンターといった供給制約のある「ボトルネック」への選別投資を重視しています。
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ファンド成績を見る際の注意点
利用可能な9月中旬時点のデータでは、**BlackRock Emerging Markets Institutional(MADCX)の年初来リターンは26.82%**でした。
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ただし、これは特定のファンド・特定のシェアクラス・特定の評価日時点の実績です。ブラックロックの新興国関連ファンドは商品、通貨、シェアクラスによって成績が異なるため、この数値をすべての同社新興国ファンドのリターンとして扱うことはできません。過去の運用実績は将来の成果を保証するものでもありません。