NYSE(ニューヨーク証券取引所)がAvalancheを本番環境に採用した、という段階ではない。Ava Labsのプレジデント、チャーリー・クーパー氏は、NYSEが約1年をかけてAvalancheの技術性能、コストを含む経済モデル、既存インフラへ組み込めるかを検証してきたと説明した。ICE(Intercontinental Exchange、NYSEの親会社)のマイケル・ブラウグルンド氏もAva Labsと緊密に取り組んでいるとしたが、ICE・NYSEが最終的なブロックチェーン選定や商用展開を決定したとは示していない。
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約1年の検証が示すもの
これは、規制下にある巨大市場インフラにブロックチェーンを持ち込む際のデューデリジェンスと見るのが妥当だ。Avalancheは、NYSEが検討する決済・インフラ候補の一つになり得るが、それだけでNYSE全体をAvalancheへ移行する約束にはならない。
構想は、既存のPillarマッチングエンジンと従来の市場システムを土台にしつつ、取引後の処理・決済にブロックチェーンを組み合わせるものだ。複数チェーンを使い分ける設計の中で、Avalancheが選択肢の一つになる可能性もある。
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NYSEが目指すトークン化証券プラットフォーム
NYSEは、必要な規制承認を前提として、米国上場株式とETFのトークン化版を扱う代替取引プラットフォームを計画している。想定される機能は、以下の通りだ。
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- 継続的な取引アクセス
- 即時に近い、またはオンチェーンでの決済
- 端株取引
- ドル建て注文
- ステーブルコインまたはトークン化現金による資金決済
ただし、これは計画・開発段階の構想である。対象銘柄、取引時間、流動性をどう確保するか、そして最終的な規制承認は、いずれも未確定だ。
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「24時間365日」と「平日24時間」は同じではない
市場側の商業的な目標には常時アクセスが含まれる一方、足元の規制枠組みから直ちに読み取れるのは、週末も含む完全な24時間365日取引の確定ではない。より現実的な可能性としては、まず平日24時間取引が視野に入る、という整理になる。
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したがって、「NYSEが週末を含む常時取引を開始する」と断定するのは早い。運営時間、取り扱い資産、流動性供給の仕組み、承認の条件は今後の論点となる。
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SecuritizeとtZEROの提携は、Avalanche採用の裏付けではない
ICEはSecuritizeおよびtZEROと覚書(MOU)を結んでいる。Securitizeはデジタル移転代理人として、ブロックチェーンネイティブな株式・ETFの作成・管理を担う位置付けだ。
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tZEROは、トークン化証券市場に必要となるデジタル移転代理人・ブローカー・ディーラー関連インフラの設計パートナーとして協力する。
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これらは規制対応を含む市場インフラの役割分担に関する取り組みであり、特定チェーンの採用決定を意味するものではない。SecuritizeやtZEROとの関係と、Avalancheの評価は両立し得る。
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SECの「イノベーション免除」が開く道、残る制約
米証券取引委員会(SEC)は、トークン化されたNMS株(全米市場制度の対象株)を分散型台帳技術で取引する一定の市場参加者を対象に、「イノベーション免除」と呼ばれる5年間の一時的・条件付き救済措置を導入した。
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この制度は、許可型の自動マーケットメーカー(AMM)や流動性プールを通じた、管理された取引形態を想定し、投資家保護と公正・秩序ある市場という条件を維持するものだ。
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重要なのは、これが無許可型ブロックチェーン上で株式を自由に取引できる包括的な許可ではなく、証券法上のあらゆる義務を免除するものでもない点だ。
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結論:前進材料はあるが、採用もローンチも未決定
SECの措置により、NYSEを含む事業者がモデルを試すための規制上の障壁の一つは下がった。一方で、NYSEのローンチ、Avalancheの採用、十分な流動性、既存の清算・保管システムとの相互運用性は保証されていない。
また、今後1年以内に主要な世界の取引所が同様のオンチェーン・平日24時間取引の仕組みを一斉に採用すると予測できるだけの根拠も現時点では乏しい。各国・地域の規制、市場構造、そして実証実験で安定した流動性と決済が示せるかどうかが、普及の鍵になる。