Figureが発表したHelix 2.5の結果は、ヒューマノイドロボットが初めて入る住宅でも、学習済みの知識をどこまで転用できるかを測ったものだ。
注目すべき数字は、Figure 03が3種類の家事で記録した「完遂率56%」。一方で、厳格な採点では残り44%はタスク全体を完了できなかったことも意味する。
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30軒で何を試したのか
Figureは、人間の行動データセット「Index」でHelix 2.5を事前学習し、そこから次の3つの行動を作成したとしている。
評価は、ロボットがそれまで訪れたことのない米国サンフランシスコ・ベイエリアの住宅30軒で実施された。Figureによれば、評価住宅では一切データを収集せず、住宅ごとの追加学習(ファインチューニング)や環境・物品に合わせた適応も行っていない。全住宅で使ったのは、同一の固定チェックポイントだった。
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ここでいう「ゼロショット」は、その住宅や、そこで扱う玩具・タオル・寝具を事前に学習していなかったという意味である。家事の3カテゴリ自体を、まったくタスク固有の学習なしで獲得した、という意味ではない。Figureは基盤モデルをこれら3行動へ適応させたと説明している。
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成功率は56%、比較モデルは9%
Figureの統制比較では、Indexによる事前学習を行うと、同等のモデルをゼロから学習させた場合の全タスク成功率が**9%から56%**へ上がったという。
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しかも採点は部分点なしの「全か無か」だった。リビングの片付けなら散らばった玩具をすべてバスケットに入れること、タオル畳みなら畳んだうえで所定の位置に置くこと、ベッドメイキングなら枕と掛け布団を正しい位置に整え、ならすことが完了条件だった。
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そのため、56%は単なる「途中までできた」割合より重みのある数値だ。ただし同時に、試行の44%は家事を最後までやり切れなかった。この結果が示すのは、大規模な事前学習が未知環境への転用を改善しうることだ。監視なしで安定して働ける家庭用ヒューマノイドが完成したことを示すものではない。
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Figureが「スケールする」と考える理由
Figureの狙いは、ロボティクスにも基盤モデル型の手法を持ち込むことにある。多様な人間の身体行動を広く事前学習し、比較的少ないロボットデータで特定の行動を定義すれば、新しい部屋ごとにロボットの実演データを集め直さずに展開できる、という考え方だ。
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同社は、Indexの事前学習データを8倍の範囲で増やした際、ロボットの行動予測損失が予測可能な形で低下したというスケーリング関係も報告した。またIndexは、およそ毎秒35分相当の人間行動データを生成していたとしている。
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Figureの関係者は別途、撮影時点で週あたり約9万人のアクティブな貢献者がいたこと、その後10万人を超えたことを投稿している。ただし、この人数は独立監査を受けた統計ではなく、会社側の発信である。
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さらにFigureは、Nscaleとの提携を通じた初期の計算資源コミットメントとして35億ドルを掲げた。最大10万基のNvidia Vera Rubin GPUを目標とし、導入開始は2027年後半としている。
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「ロボットが家事をできる」と結論づけられない理由
この結果は、第三者による査読付きの家庭用ロボット・ベンチマークではなく、Figureが発表・評価したものだ。
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また30軒は、空室で整頓され、明るい短期滞在用の賃貸物件だったと報じられている。実際に人が暮らす家庭には、人やペット、散らかり、照明のばらつき、突然の中断、見慣れない物、安全面の制約がある。こうした条件は、ロボットの移動や物の操作を大幅に難しくしうる。
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したがって、今回の適切な読み方は「ロボットが家事をできるようになった」ではない。Figureは、大規模な人間行動データでの事前学習があれば、家庭ごとにロボットの訓練データを集める必要を減らせる可能性を、管理された条件下で示した。一般家庭で求められる信頼性と安全性に届くかどうかは、まだ答えが出ていない。
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