Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは9月15日、AI開発を業界全体で減速させる必要はないとの立場を示した。競争、法的責任、そしてAIをユーザーの意図や利益に沿わせる「アラインメント」への対応が、各AIラボに安全な開発を行う十分な動機を与えるという考えだ。
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「一律の減速」ではなく、各社が自ら速度を決める
ザッカーバーグ氏の主張の核は、各ラボにはモデルを安全に訓練するのに必要なペースで進める責任と、そのための措置を自ら講じる能力がある、というものだ。信頼性とアラインメントは、AIエージェントやモデルを差別化する重要な能力になり、安全性を軽視する企業は競争で後れを取るとの見方を示した。
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これは、Anthropicのダリオ・アモデイCEOが掲げた「協調的なペース調整」とは対照的だ。アモデイ氏は、安全性の研究と検証が能力向上に追いつくよう、最先端AI、特にAIが次世代AIの開発を加速する再帰的自己改善について進展を抑えるべきだと訴えた。OpenAIのサム・アルトマンCEOとxAIのイーロン・マスク氏も、この協調的な減速を支持した。
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Metaが挙げた実例は「Muse」の延期
ザッカーバーグ氏は、他社の減速を待たずに安全対策を取れる例として、MetaがAIエージェント「Muse」の提供を数カ月延期したことを挙げた。安全性とセキュリティを強化するためだったという。
さらにMetaは、計算資源の大半をAIの自己改善ではなく、利用者の当面のニーズに応える製品に振り向けていると説明。Meta Superintelligence Labsでは、独立した評価者や助言者も活用しているとした。
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協調には政治・法の壁もある
一方で、業界横断の合意が実現するかは不透明だ。ドナルド・トランプ米大統領は、中国との競争を理由にAI開発の減速や大幅な規制に反対している。Nvidiaのジェンスン・フアンCEOも、包括的な停止より開発の継続を支持する立場に近い。
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法的な論点もある。米連邦取引委員会(FTC)のアンドリュー・ファーガソン委員長は、AI企業が安全性を理由に反トラスト法(独占禁止法)の適用除外を求めることには警戒すべきだと述べた。ただし、ロイターが取材した法律専門家は、壊滅的なリスクを防ぐ目的であれば、現行の反トラスト法の下でも企業間協調が認められ得ると指摘している。
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「動機がある」ことは、安全を保証しない
ザッカーバーグ氏の議論は、市場競争や法的リスクが企業を安全行動へ向かわせるという見立てであり、それだけで被害を確実に防げることの証明ではない。
Meta自身については、FacebookとInstagramが子どもを依存させるよう設計されたとの米州政府の申し立てを巡り、最大180億ドルの支払いと若年層保護の強化に合意した経緯もあり、安全性を自社判断に委ねる構図には厳しい視線が向けられる。Metaは和解に際して不正行為を否定している。
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要するに、ザッカーバーグ氏が支持したのは、外部評価を取り入れつつ、各社が市場と法的責任の下で個別に安全対策と開発速度を決める分散型のアプローチだ。アモデイ氏の業界一体の自制策とは異なる。どちらが十分な安全性を確保できるのかは、なお結論が出ていない。