米トランプ政権は、メキシコで組み立てられて米国へ輸出されるAI関連ハードウェアについて、北米以外で調達した部品の比率を制限する原産地規則をメキシコ側に求めていると報じられています。対象にはAIチップ、サーバーなどが含まれます。
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狙いは、中国企業を含む域外の企業が、部品をメキシコへ持ち込み、そこで最終組み立てを行うことで、米国の関税や技術安全保障上の規制を事実上回避することを防ぐ点にあります。
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求められている新ルールとは
報道されている案は、AIハードウェアの製造に使う部品のうち、北米域外由来の部品に上限を設けるというものです。
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ただし、以下の重要な詳細は、入手可能な情報ではまだ公表・確定されていません。
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- 北米域外部品を何%まで認めるのか
- どの製品を対象にするのか
- 原産地をどのように判定・監査するのか
- いつ制度を始めるのか
仮に厳しい基準が導入されれば、中国や他のアジア諸国の部品への依存が大きいメーカーは、調達先や生産工程をメキシコ、米国、カナダへ移す必要に迫られる可能性があります。基準を満たせなければ、USMCAによる優遇を受けられず、該当する米国関税の対象となる可能性があります。これは、域外部品の利用を制限するという提案の目的から導かれる影響です。
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なぜワシントンは規制を急ぐのか
背景には、メキシコが米国向け電子機器の重要な生産・輸出拠点へ急速に存在感を高めていることがあります。報道によると、AIハードウェアは今年、メキシコの対米輸出品目で自動車を上回る規模に急拡大しました。
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また、2026年第1四半期のメキシコのコンピューター・電子機器輸出額は500億ドルで、前年同期のおよそ2倍でした。
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電子機器は、メキシコで最終組み立てをしていても、半導体や基板、各種部材などにアジア由来の部品が多く含まれ得ます。米政府は、こうした組み立て形態が関税回避の経路になることを警戒しているとみられます。
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AIチップを含む先端半導体について米国は従来から、中国が先端チップや関連するAI計算能力を取得・開発する能力を制限する輸出管理を強めてきました。
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5 もっとも、メキシコ向けの今回の提案が、すべての一般的な半導体に対する最終的な関税制度を意味するわけではありません。
USMCA見直し交渉との関係
今回のAIハードウェアを巡る提案は、USMCAの共同見直しに向けた米・メキシコ間協議の文脈で浮上しています。USMCAは米国、メキシコ、カナダの自由貿易協定で、協定上の原産地規則を満たし無税待遇を受ける製品は、米国がSection 122に基づいて課した関税の適用除外となっています。
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すでに両国は、自動車の原産地規則の変更を含む論点で隔たりを見せています。
8 AI機器の部品調達基準は、鉄鋼、アルミニウム、自動車などの関税・市場アクセス問題とともに、交渉材料になる可能性があります。ただし、最終合意や具体的な関税変更は確認されていません。
クラウディア・シェインバウム大統領は第3回の二国間交渉で、米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表と会談しました。メキシコ側の主要な通商交渉担当者は、経済相のマルセロ・エブラルド氏です。
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メキシコの製造業に及ぶ影響
新基準の厳しさと移行期間の長さ次第で、メキシコの電子機器投資への影響は大きく変わります。
現実的な基準と十分な移行期間があれば、北米での調達・生産を増やす「ニアショアリング」投資を後押しする可能性があります。一方で、基準が厳格すぎる、あるいは内容が不透明なままなら、部品コストの上昇や投資判断の先送りにつながり得ます。これは現時点で確定した結果ではなく、提案から想定される経済的な含意です。
米政府にとっては、中国などによる関税迂回を封じる姿勢を示す政策となります。他方、メキシコ政府は、対米輸出の競争力と国内の製造業投資を守りながら、どの水準の北米調達要件を受け入れられるかを見極めることになります。