9月9~10日にかけての攻撃の応酬は、停戦へ向けた動きというより、ウクライナとロシアが互いの後方深くを狙う長距離ドローン作戦を広げていることを示した。米国仲介の接触と時期が重なったものの、報道上、交渉に明確な進展は確認されていない。軍事面と政治面の圧力を強める局面とみるのが妥当だ。
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ノヴォロシースク:黒海艦隊の後方拠点が標的
ウクライナは、ロシア南部ノヴォロシースクの黒海海軍基地にあるインフラと、カリブル巡航ミサイルを搭載可能なフリゲート「アドミラル・エッセン」への共同の長距離攻撃を実施したと発表した。ロシア側の地域当局は、この一連の攻撃で子ども1人を含む4人が死亡、29人が負傷したと報告している。ウクライナ側は軍艦、港湾施設、石油関連インフラへの損害も主張した。
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ただし、「影の船団」の船舶13隻が被害を受けたとの主張や、海軍艦艇の具体的な損害規模については、独立した確認が十分ではない。現段階では、交戦当事者の発表と検証済みの事実を分けて受け止める必要がある。
ノヴォロシースクの重要性は大きい。ロシアは、占領下のクリミアでウクライナ軍の攻撃が相次いだ後、黒海艦隊の活動の多くを同港へ移してきた。基地、ミサイル搭載艦、輸出・エネルギー施設を狙うことは、ロシアによるカリブル攻撃の能力を削ぎ、戦争継続の運用・経済コストを高める狙いがあるとみられる。ウクライナは8月にも同地の穀物ターミナルと海軍基地に損害を与えたとしていた。
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北極圏に近いヤマルのガス施設への攻撃
ウクライナ軍は、ノヴィ・ウレンゴイ近郊のガス・コンデンセート関連施設を攻撃したと発表した。ウクライナから3,000km以上離れた地点で、同国軍は開戦以降で最も遠距離の攻撃だったとしている。ロシアの同地域知事も工業施設で火災が起きたこと、死傷者がいなかったことは認めたが、施設名は公表していない。ウクライナ側はガスプロム関連のコンデンセート施設だと説明している。
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この作戦の直接的な物的損害はなお不明だが、意味するところは明確だ。ウクライナはこれまでも、ロシアの石油生産、製油、ガス処理、輸出、軍事物流の網を前線から遠く離れた地域で妨害しようとしてきた。ロシアの北部ガス生産地帯も、もはや攻撃圏外ではないことを示した形となった。
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ロシアの反撃:モルドバ国境の検問所を攻撃
ロシアのシャヘド型ドローンは、オデーサ州でモルドバ国境に近いスタロコザチェ検問所を攻撃した。民間人2人が死亡、3人が負傷し、インフラ被害を受けた検問所は閉鎖された。報道では、負傷者にはモルドバ人運転手も含まれる。
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この検問所は日常的に多数の人と車両が利用する地点で、攻撃は人命被害に加え、ウクライナ西側国境付近の貿易・物流ルートを損なうものでもある。ロシアは経済的な損害を与えるため、こうした輸送網を標的にしていると報じられている。
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外交接触があっても、攻撃は止まらなかった
攻撃は、米国の特使がモスクワとキーウとの交渉再開を模索するなかで発生した。しかし、公表された情報からは実質的な打開は見えていない。特使団の訪問に伴う短い中断の後、ロシアは9月8日にキーウへのドローン・ミサイル攻撃を再開し、ロイターによると5人が死亡した。
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キーウで「1人死亡、14人負傷」とする特定の数字は、ここで確認できる主要報道では裏付けられない。被害者数は集計の時点や対象とする攻撃によって異なり、更新される可能性もある。
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外交面では、モスクワが米国によるキーウへの軍事支援停止を求めているとされる。これはウクライナの防空や長距離攻撃能力を弱める要求であり、信頼できる安全保障の保証と履行可能な停戦がなければ、キーウが受け入れる可能性は低い。攻撃の継続は、戦闘が冬まで続く可能性があるとのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の見方を補強するが、それはあくまで見通しであって確定した結果ではない。