PYUSDxは、PayPalがM0、MoonPayとともに開発したステーブルコイン発行プラットフォームです。フィンテック企業や暗号資産アプリが、それぞれ独自にドル準備資産やトークン発行の仕組みを作る代わりに、PayPal USD(PYUSD)を1対1で裏付けとする自社ブランドのトークンを発行できるようにします。
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つまりPYUSDxは、PYUSDを単体のステーブルコインとして使うだけでなく、複数のアプリ・サービス向けトークンを支える共通の準備資産として位置付ける仕組みです。
PYUSDxの仕組み
参加企業は、自社サービスやコミュニティ向けに、名称や設計を独自にしたステーブルコインを提供します。そのトークンは、銀行預金や米国債などからなる新たな準備資産を個別に組成するのではなく、PYUSDによって1対1で裏付けられる設計です。
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主な役割は次の通りです。
- PayPal USD(PYUSD):基礎となる準備資産。PYUSDはPaxos Trust Companyが発行し、PayPalは米ドル預金、米国債、および同様の現金同等物によって全額裏付けられていると説明しています。
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- MoonPay Digital Assets:PYUSDx経由で作られるトークンの発行主体。これらのトークンはPYUSDによって裏付けられますが、PYUSDそのものとは別個の資産です。
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- M0:プラットフォームで用いるステーブルコインおよびデジタルトークンのインフラを提供します。
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- PYUSDxを使う企業:顧客向けの体験、ブランド、配布、トークンを使うアプリケーションを設計・運営します。
要するにPYUSDxは、準備資産、発行、流通の基盤を各社がゼロから構築する負担を、PYUSDを共通基盤にすることで抑えることを目指しています。
どこで使えるのか:PYUSDとPYUSDxトークンは同じではない
PYUSDxは、DeFi(分散型金融)や用途特化型の金融サービス向けに位置付けられています。すべてのPayPal加盟店や、PYUSDが利用できる場所で自動的に決済へ使える共通トークンではありません。実際の利用範囲は、発行企業のアプリ、対応ネットワーク、連携先、利用地域の規制要件によって決まります。
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この違いは重要です。PYUSD自体については、PayPalはPayPal、Venmo、対応取引所、互換性のある外部ウォレット間で移転できると案内しています。また、ERC-20に対応する大半のEthereumおよびArbitrumアドレス、SPLに対応する大半のSolanaアドレスへ送付可能としています。
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ただし、PYUSDxで発行されたトークンが、こうしたPYUSDの利用経路や受け入れ先を自動的に引き継ぐわけではありません。
企業にとっての利点:発行までの負担を軽くする
PYUSDxが掲げる主な価値は、立ち上げの迅速化と運用負担の軽減です。企業は、通常ならステーブルコインの発行に伴う準備資産、保管、発行、流動性の基盤を個別に構築する必要があります。PYUSDxでは、こうした土台を共有しつつ、カスタマイズされたドル連動トークンを提供することを狙います。
M0とMoonPayは、ローンチまでの期間を「数か月ではなく数日」に短縮することを目標に掲げています。
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また、PYUSDxはプログラム可能な報酬機能と、PYUSD裏付けトークン間の共有流動性を打ち出しています。 開発者にとっては、信用商品、投資フロー、DeFiプロトコルなど用途に合わせてトークンの設計を変えながら、既存のドル裏付け資産を土台にできる点が特徴です。
初期パートナーと「1億ドル超」の意味
公開ローンチ時点では、Saturn、Concrete、CapがPYUSDxで稼働していました。各社は、初期パートナーがプラットフォーム上で処理した取引高が1億ドル超に達したとしています。
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AIインフラ向けの用途特化型ステーブルコインを開発するUSD.aiは初期開発者として挙げられ、Fairblockも導入予定企業として公表されました。
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ここで注意したいのは、処理高は流通供給量ではないことです。ローンチ時の報道にはPYUSDxトークン全体の検証済み流通残高は示されていません。したがって、1億ドル超という数字を、発行済み・流通中トークンの価値とみなすべきではありません。
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PayPalにとっての戦略的な意味
PYUSDxは、PYUSDの利用をPayPalのウォレットや決済圏の外へ広げる手段になります。第三者のアプリケーションが自社トークンの裏付けとしてPYUSDを保有するなら、それらのサービス上の活動増加は、準備資産としてのPYUSD需要につながる可能性があります。
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これは、PayPal、Venmo、取引所、対応ブロックチェーンウォレットでPYUSDを使えるようにするPayPalの取り組みと並行するものです。
19 狙いは、利用者にPYUSDを直接保有してもらうことだけではありません。他社サービスの基礎インフラとしてもPYUSDを使ってもらうことにあります。
共有流動性の裏側にある依存リスク
共通のPYUSD準備資産を使うモデルは、ブランド付きトークン間の分断を抑え、一貫性や流動性を高める可能性があります。一方で、依存先も集中します。
PYUSDxトークンはPYUSDに依存するため、PYUSDの償還、準備資産、発行体の業務、スマートコントラクト、あるいは関連ブロックチェーンへのアクセスに支障が生じれば、複数のPYUSDx製品が同時に影響を受ける可能性があります。
これはPYUSDxで障害が報告されたことを意味するものではありません。単一の準備資産を共有する設計から導かれる、運用面・経済面でのトレードオフです。企業は独自ステーブルコインへの近道を得る一方、同じ準備資産とインフラに依存することになります。
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