中間解析で全生存期間の主要評価項目を達成
アストラゼネカとアムジェンは、広範型小細胞肺がん(ES-SCLC)を対象とした第III相試験「DeLLphi-305」の計画中間解析で、イミフィンジ(デュルバルマブ)とイムデルトラ(タルラタマブ)の併用が、イミフィンジ単独と比べて全生存期間(OS)を統計学的に有意に、かつ「臨床的に非常に意義深く」改善したと発表しました。
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対象は、イミフィンジにプラチナ製剤(カルボプラチンまたはシスプラチン)とエトポシドを組み合わせた導入療法後、病勢進行がみられなかった患者です。今回検証されたのは、初回治療で病勢を抑えられた後に追加治療を続ける一次治療後の維持療法です。
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ただし、現時点で公表されているのはトップライン結果にとどまります。OS改善の具体的な大きさ、ハザード比、中央値、信頼区間、詳細な有害事象の頻度などは示されていません。そのため、実際の利益とリスクのバランスは、学会発表や査読論文での完全データを待って判断する必要があります。
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試験デザイン:563人を1対1に割り付け
DeLLphi-305には563人が登録され、イミフィンジ+イムデルトラ群、またはイミフィンジ単独群に1対1で無作為に割り付けられました。治療は病勢進行または忍容できない毒性が生じるまで継続されました。
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主要評価項目のOSに加え、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)と客観的奏効率(ORR)についても、併用群はイミフィンジ単独群を統計学的に有意に上回りました。
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なぜ注目されるのか:DLL3を介してT細胞をがん細胞へ導く
イムデルトラは、DLL3とCD3を標的とする二重特異性T細胞エンゲージャーです。腫瘍細胞に発現するDLL3と、T細胞上のCD3に結合し、T細胞をDLL3発現がん細胞へ近づけることで、T細胞によるがん細胞の攻撃を促すよう設計されています。
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一方、イミフィンジはPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害薬です。アストラゼネカは今回の結果を、この治療領域において、免疫チェックポイント阻害薬とDLL3×CD3二重特異性T細胞エンゲージャーの併用で生存利益を示した初の例と位置づけています。
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つまり、PD-L1阻害を継続しながら、T細胞を腫瘍関連標的であるDLL3へ誘導するという、異なる免疫作用を組み合わせる戦略が第III相試験で検証されたことになります。
安全性は「新たなシグナルなし」だが、詳細は未公表
両社によると、併用療法の安全性プロファイルは各薬剤で既知のものと整合し、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。
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これは前向きな情報ですが、治療の使いやすさを評価するには十分ではありません。有害事象の種類や重症度、発現頻度、治療中断・入院の状況、管理方法といった詳細が重要です。完全な安全性データの公表が待たれます。
両社は今後、完全な結果を医学学会で発表し、規制当局に提出する方針です。この併用療法は、一次治療後の維持療法としては現時点で治験段階にあります。
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イムデルトラは再発後から一次治療後へ広がるか
イムデルトラはこれまで、プラチナ製剤を含む化学療法後に病勢進行したSCLCでの開発・使用が中心でした。第III相DeLLphi-304試験では、アムジェンは標準化学療法と比べて死亡リスクを40%低下させたと報告しています。OS中央値はイムデルトラ群13.6か月、化学療法群8.3か月でした。
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DeLLphi-305の結果は、イムデルトラを再発後まで待つのではなく、イミフィンジを含む導入療法で病勢が進行しなかった患者に対し、直後の維持療法として早期に使う可能性を示します。
ただし、その位置づけが実際に変わるかは、完全データで利益の規模と安全性が確認され、規制当局がこの用途を承認するかどうかにかかっています。現時点で新たな標準治療とみなすことはできません。
まとめ
DeLLphi-305の中間解析は、広範型小細胞肺がんの一次治療後維持療法において、イミフィンジ+イムデルトラがOS、PFS、ORRでイミフィンジ単独を上回ったことを示す第III相の前向きな結果です。
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今後の焦点は、どの程度OSが延長したのか、恩恵が大きい患者は誰か、そして有害事象を含むリスク・ベネフィット評価が新しい維持療法を支持するものになるかです。