GoogleはEU域内で、検索結果に自社の専門サービスを統合的に出す従来型の設計から距離を置く変更を導入した。狙いは、Google Searchが自社のショッピング、ホテル、交通、スポーツ関連サービスを第三者より有利に扱っているとのEUの認定に対応することだ。
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検索結果はどう変わったのか
商用性の高い関連クエリでは、価格比較サイトなどの垂直検索サービス(特定分野に特化した検索・比較サービス)1社を最上部に目立つ形で置き、その下に情報量を少なくした別の垂直検索サービス2社を配置する構成となる。
さらに下部にはホテル、航空会社、レストランを並べるカルーセルが置かれるが、リアルタイム価格などの機能は表示されない。この変更は、Google自身の専門サービスを検索結果で有利に順位付け・埋め込み表示することを禁じるDMA第6条5項への対応という位置付けだ。
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欧州委員会は2026年7月、Google Searchにおける自社優遇を理由に4億6000万ユーロ、Google Playで事業者が消費者を代替的な購入経路へ誘導することを制限した行為を理由に4億3000万ユーロ、計8億9000万ユーロの制裁金を科した。
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誰にどんな影響があり得るか
利用者:比較・予約までの手数が増える可能性
Googleは、リアルタイムの料金情報や、すぐに予約・購入へ進める情報量の多い表示をまとめて出せなくなることで、比較や予約が煩雑になると主張している。同社はテストで強い不満が見られたとしているが、これはGoogleによる評価であり、独立した測定結果として公表・検証されたものではない。
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比較サイト:最も価値の高い場所で露出を得る
一方で、比較サイトや専門検索サービスにとっては、検索結果の最上部に置かれる機会が大きな意味を持つ。DMAは、巨大プラットフォーム事業者が自社の同種サービスを優遇することを防ぎ、オンライン検索市場をより公正で競争可能なものにすることを目的としている。
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ホテル・航空会社・飲食店:直接流入の減少を懸念
Googleは、ホテル、航空会社、レストランなどの事業者が無料の直接流入を失い、比較サイトなどの仲介事業者への依存を強めるおそれがあると述べる。仲介への依存が増えれば、手数料など顧客獲得コストが上がる可能性がある。
Googleは、これまでのDMA対応後、無料の直接予約流入が30%減少したとしている。ただし、この数字もGoogleが提示したデータであり、独立して検証されたものとして扱うべきではない。
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「29年で最悪の品質低下」というGoogleの主張
Googleの主張は、規制が検索ページ上の配置を実質的に定めることで、料金・空き状況・予約導線を一体化した検索体験が損なわれる、というものだ。情報が減り、クリック数が増え、利用者の需要が比較プラットフォーム経由に移るという見立てである。
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これに対する欧州委員会側の前提は逆だ。統合された検索体験そのものが問題なのではなく、Googleがその中で自社サービスを第三者より有利に扱ってきた点が競争上の問題だとする。DMAは、ゲートキーパーが自社の商品・サービスを第三者の類似サービスより有利に順位付けしないことを求めている。
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つまり「品質」をどう測るかは争点のままだ。Googleは利便性と事業者への直接送客を重視し、規制当局は中立的な扱いと競争事業者の市場アクセスを重視している。
変更だけで決着するとは限らない
この再設計はGoogleが示したコンプライアンス対応策であり、欧州委員会が最終的に十分と判断したことを意味するわけではない。対応が不十分と判断されれば、DMAに基づき、全世界年間売上高の最大10%、再犯の場合は最大20%の制裁金が科され得る。さらに、世界全体の平均日次売上高の最大5%に当たる定期的な制裁金や、制度的な不履行の場合には行動面・構造面の是正措置もあり得る。
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今回の表示変更は、検索の使いやすさを巡る単なるUI調整ではない。EUが巨大プラットフォームに対して、検索結果における競争の公平性をどこまで具体的に求めるのかを試す事例となる。欧州委員会がこの設計を受け入れるか、それともGoogleにさらなる変更を求めるかによって、比較サイト、地域事業者、そして検索利用者の利害配分は大きく変わりそうだ。