米商務長官のハワード・ラトニック氏は9月2日、AI企業Anthropicがトランプ政権との関係を修復したとの認識を示した。Anthropicが開発するAIモデル「Claude」の国防利用をめぐって数カ月にわたり対立していたが、同氏は政権として同社を再び信頼しており、「正しい側に戻った」と述べた。
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この発言は、新たな政策や契約の発表というより、政治・行政面での緊張が和らいだことを示すものだ。
「Anthropicを信頼している」
Axiosのインタビューで、ラトニック氏はAnthropicについて「信頼している(We trust Anthropic)」と発言。同社は「われわれが求めたことを実行した。正しい側に戻った」と述べた。
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また、ノースカロライナ州で開かれたG20の技術会合の場では、それまでの対立を安全保障をめぐる公の「いざこざ(kerfuffle)」と表現し、Anthropicは「考えを改めた」との趣旨の言葉も使った。
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対立の核心はClaudeの軍事利用条件
衝突の焦点は、Claudeをどこまで軍事目的に使えるかだった。ピート・ヘグセス米国防長官は、AnthropicがClaudeの国内監視や自律兵器への利用を認めなかったことを受け、同社を一部の軍事契約から排除していた。
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Anthropicはこれに対し、国防総省から「サプライチェーン上のリスク」と指定されたことを不服として、カリフォルニア州の連邦裁判所に提訴した。
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裁判所は国防総省のブラックリスト措置を差し止め
8月27日、リタ・リン連邦地裁判事は、国防総省によるAnthropicのブラックリスト化を差し止めた。ロイターによると、判事はリスク指定を「違法で根拠がない」と判断した。
別の報道では、この措置は違法な報復に当たり、Anthropicには必要な適正手続きが与えられていなかったとの判断も示された。
つまり、ラトニック氏の発言が両者の関係改善を示す一方、裁判所の判断は、AI企業に対する政府の圧力には法的な限界があることを明確にした形だ。
G20でトム・ブラウン氏が訴えた「データセンター建設」
同日のG20技術会合には、Anthropic共同創業者のトム・ブラウン氏も登壇した。同氏はAIインフラに焦点を当て、各国の政府関係者に対し、自国でのデータセンター建設を許可するよう求めたと報じられている。
この一連の出来事には、つながりのある二つの論点がある。ひとつは、軍事のように機微な領域で高度なAIを使う際、どのような制約を設けるべきか。もうひとつは、AIの開発・運用を大規模に支える計算資源とデータセンターの整備を、各国がどこまで後押しするかだ。
政権との距離は縮まったように見えるが、軍事利用におけるAIの安全策と、政府権限の法的な境界をめぐる議論はなお続く。